部分断面補修箇所周辺の鉄筋腐食機構

コンクリート構造物の劣化対策の一つとして、部分断面補修が用いられていますが、近年この補修箇所の周辺で鉄筋腐食による劣化が認められ、その対策が求められています。そこで、部分断面補修箇所周辺の鉄筋腐食による再劣化のメカニズムを明らかにし、部分断面補修の効率的な施工について提案しました。

1.はじめに

コンクリート構造物の劣化対策の一つとして、部分断面補修が用いられていますが、近年この補修箇所の周辺で鉄筋腐食による劣化が認められる事例がり、その対策が求められています。そこで、コンクリート構造物の現地調査および供試体試験から、部分断面補修箇所周辺の鉄筋腐食による再劣化のメカニズムを明らかにし、部分断面補修の効率的な施工について提案しました。

2.部分断面補修後の鉄筋腐食

部分断面補修後の再劣化の要因として、補修境界から非補修部側に80mm程度の範囲で生じるマクロセル腐食の影響を明らかにしました。この腐食電流量は、通常の全面腐食と最大で同程度であり、腐食速度の総和は通常の全面腐食の2倍程度になることがわかりました(図1)。部分断面補修の効率的な施工として、補修部周辺の再劣化を抑制するためには、補修箇所と未補修箇所の境界部の鉄筋腐食度を点錆状態以下にする必要があることがわかりました。

図1 部分断面補修後の腐食電流量

参考文献

  1. 飯島亨、工藤輝大、玉井譲:コンクリート構造物の部分断面補修箇所周辺における鉄筋腐食機構と劣化対策、コンクリート構造物の補修、補強、アップグレードシンポジウム、Vol.10、pp.311-316、2010.08
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