5. 乗り上がり脱線を防止する台車

  • 乗り上がり脱線に対する安全性の向上を目的として、輪重減少抑制台車にアシスト操舵システムを組み込んだ「脱線しにくい台車」を開発しました。
  • 曲線部での乗り上がり脱線に対する安全性の指標である脱線係数が、一般的な構造の台車に比べ約60%改善されることを確認しました。

鉄道車両が出口側緩和曲線のような軌道の平面性変位の大きな箇所を走行する際、軌道面のねじれにより進行前軸の外軌側輪重が大きく減少することがあります。このような状況で大きな横圧が加わると、車輪がレールに乗り上がり、脱線に至る可能性があります。これを防止するためには輪重減少の抑制と横圧の低減が有効です。

このため、輪重減少抑制台車にアシスト操舵システムを導入した在来線用の「脱線しにくい台車」を試作しました。この台車は、台車枠に設けた回転機構で軌道の平面的なねじれに追従することで輪重減少を抑制することに加え、軸箱支持装置に組み込んだ操舵アクチュエータを曲線に合わせて伸張することで輪軸を操舵し横圧を低減します(図1)。両者の効果により、乗り上がり脱線に対する安全性の向上を実現します。

試作した「脱線しにくい台車」の基本性能を確認するため、部外の鉄道試験線において曲線部を対象とした走行試験を実施した結果、一般的な構造の台車に比べ、乗り上がり脱線に対する安全性の指標である脱線係数が、半径160mの曲線内で約60%改善されることを確認しました(図2)。

図1 脱線しにくい台車のコアテクノロジー
図2 脱線係数低減効果(半径160m曲線部)
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