第302回 鉄道総研月例発表会

日時 2016年08月22日(月) 13:30〜17:10
場所 日本工業倶楽部 大会堂
主題 鉄道の国際標準化活動に関する最近の動向と今後の展開

プログラムと発表内容

13:30~13:50
鉄道分野の国際標準化の動向とセンターの取り組み

鉄道国際規格センターが設立され6年が経過した。その間、国内における鉄道国際標準化の体制は、センターを中心とした一元的な取り組みが整備されてきた。一方で、ISOにおける鉄道分野専門委員会の新設など、国際的な規格開発体制の変化やそれに伴う取り扱い範囲の拡大により、国際標準化活動はますます活発になってきている。本発表では、近年の国際標準化活動の動向とそれに対する国際規格センターの取り組みについて紹介する。

発表者
鉄道国際規格センター センター長  田中 裕

13:50~14:10
国際標準化活動における海外との関係

海外の国際標準化関係者および機関と継続的に交流し、友好的な連携関係を構築することは、関連情報の事前収集や規格審議の場における日本意見への理解など、日本の国際標準化活動をより効果的に推進する上で非常に重要である。今回の発表では、鉄道分野の国際標準化における海外の概況を紹介するとともに、欧州標準化機関やアジア諸国との情報交換会など、これまで鉄道国際規格センターが築いてきた海外との関係について報告する。

発表者
鉄道国際規格センター 次長  関 清隆

14:10~14:35
ISOにおける規格審議状況

ISO(国際標準化機構)における規格審議の状況を、鉄道国際規格センターが国内審議団体となっているTC 269(鉄道分野専門委員会)およびTC17/SC15(鋼専門委員会/鉄道レール、レール締結装置、車輪及び輪軸分科委員会)を中心に概説する。2012年に発足したTC269では、多くの規格化提案がなされるなど、活動が急速に活発化してきている。また、TC269については、SCの設置など組織や運営に関する動向も紹介する。

発表者
鉄道国際規格センター シニアエキスパート  草 節 

14:35~15:00
IEC/TC9における規格審議状況

IEC(国際電気標準会議)/TC9(鉄道用電気設備とシステム)は1924年設立の長い歴史を持つTC(専門委員会)であるが、2001年に「システム」を追加する名称変更とともに対象を広げ、さらに2006年頃からは参加者が毎年増加し、現在では約400名の登録エキスパートが30件を越える規格審議に参加する大きな活動を行っている。本発表では、TC9の組織構成や出版物の概要を紹介するとともに、現在の審議状況と動向について概説する。

発表者
鉄道国際規格センター シニアエキスパート  本間 英寿

15:00~15:25
鉄道の国際規格適合性認証の状況

鉄道製品・技術の海外展開にあたっては、多くのケースにおいて国際規格への適合性に関する認証が求められる。交通安全環境研究所鉄道認証室は、鉄道分野で国内初の国際規格適合性認証機関として、2012年9月に独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)より認定を受けた。本発表では、認証機関としての取り組みを紹介するとともに今後の方向性について述べる。

発表者
(独)自動車技術総合機構 交通安全環境研究所 鉄道認証室 室長  佐藤 安弘

15:25~15:40
休 憩

15:40~17:10
【パネルディスカッション】
国際標準化の向こうにあるもの ~これからの国際標準化活動のあり方~

パネルディスカッション
国際標準化の向こうにあるもの ~これからの国際標準化活動のあり方~
コーディネーター:田中 裕(鉄道総研:鉄道国際規格センター)
パネリスト(五十音順):
 杉山 邦生(三菱電機:ISO/TC269/WG2 車両用空調システム 主査)
 高木 亮 (工学院大学:IEC/TC9/PT62864-1車上電力貯蔵PT62924 地上電力貯蔵 主査)
 田代 維史(自動車技術総合機構:IEC/TC9/CAG議長諮問会議 委員)
 中島 康成(JR東日本:ISO/TC269/WG3鉄道プロジェクト計画 主査)
 西江 勇二(鉄道総研:ISO/TC269 議長)
鉄道分野の国際標準化活動の活発化に対応して、日本も積極的にこれに取り組んできた。その結果、国際規格開発に関連して過去にない成果をあげつつある。ここでは、現在の国際標準化活動を主導する各分野の方々をパネリストに迎え、パネルディスカッションの形で、将来、日本が目指すべき鉄道分野の国際標準化の姿と、その実現に向けた今後の活動のあり方について意見交換を行う。

発表者
(コーディネーター)鉄道国際規格センター センター長  田中 裕

司会:芳賀 昭弘 (鉄道国際規格センター 管理課長)

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