第35回 鉄道総研講演会
持続可能な鉄道を支えるメンテナンス技術 -検査・診断の革新-
開 催 日:2022年11月9日
開催場所:有楽町朝日ホール
主 催:公益財団法人鉄道総合技術研究所
プログラムと講演概要
13:00~13:10 開会の挨拶
会長 向殿 政男
13:15~14:15 特別講演 メンテナンスの効率化・高度化のためのモニタリング技術開発
東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻 教授 長山 智則 様
我が国の社会インフラは、高規格施設を中心として十分な資源を投入して着実なメンテナンスが実施されてきたものの、財政や経営の状況、技術者不足等の諸課題を考慮すると、従来の方法を今後遍く適用していくことは難しい。
本講演では、新たな技術や知見を導入してメンテナンスの効率化や高度化を図る取組みとして、移動型や固定型の計測とシミュレーション、機械学習等を組み合わせた社会インフラのモニタリング技術の開発を紹介する。メンテナンスの省力化・省人化に加えて、インフラ状態の経時変化の定量的把握や予測を通した高度化について展望する。
14:20~15:00 基調講演 持続可能な鉄道を支えるメンテナンス技術 -検査・診断の革新-
専務理事 芦谷 公稔
鉄道の運行を支える車両や地上設備のメンテナンスは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等を受けて、労働集約型の業務形態からの早急な脱却が求められており、特に検査・診断において、リモート化・自動化等のDXへの取組みが加速している。
本講演会では、鉄道総研における鉄道メンテナンスの革新に資する研究開発の取組みについて、画像や音・振動等を用いた新たな検査技術、およびシミュレーションやAI・機械学習等を活用したデータ解析に基づく診断技術等を中心に紹介するとともに、持続可能な鉄道を実現するための今後の鉄道メンテナンスの省力化・省人化および高度化の方向性について展望する。
15:00~15:20 休 憩
15:20~16:45 講演
車両メンテナンスに関する取組み
車両技術研究部長 石毛 真
車両モニタデータや地上側から取得した画像等を活用した車両搭載機器の異常検知技術、蓄電池の劣化予測や台車の非破壊検査時のきず抽出の自動化等、鉄道車両の検査・診断業務の省力化、省人化に向けた研究開発の取組みを紹介し、今後の車両メンテナンスの省力化・省人化の方向性について述べる。
電力・信号設備メンテナンスの高度化
信号技術研究部長 新井 英樹
設備の障害発生の予兆検出や寿命評価に基づくCBMの実現等による検査・診断業務のさらなる省力化・省人化に向けた研究開発の取組みを紹介するとともに、設備の劣化や故障等の原因解明やその対策による信頼性向上に基づく交換周期の延伸等、今後の電力・信号設備メンテナンスの高度化の方向性について述べる。
軌道・構造物メンテナンスの高度化
構造物技術研究部長 神田 政幸
各種画像データや車上計測データ等の新たな活用法、シミュレーションや機械学習を用いた変状検出技術等、軌道・構造物の検査・診断業務のさらなる省力化・省人化に向けた研究開発の取組みを紹介するとともに、各種メンテナンスデータの統合データプラットフォ ームによる連携等、今後の軌道・構造物メンテナンスの高度化の方向性について述べる。
16:55~17:25 ディスカッション 特別講演者と基調講演者のディスカッション
モデレータ : 理事 古川 敦
17:25~17:35 閉会のご挨拶
理事長 渡辺 郁夫
司会 専務理事 久保 俊一