各種シミュレーション技術

変電所・電車線路設備データなどを用いて、多数列車が走行している状況での変電所出力電流や最低パンタ点電圧などを求める運転電力シミュレーションプログラムを構築しました。

1.直流在来線用運転電力シミュレーションプログラム

新線建設時の変電設備容量設計やダイヤ改正・複線化等に対する設備余力の検討のためには、変電所の負荷状況や最低パンタ点電圧の予測が重要となってきます。しかしながら、列車はダイヤに従って移動する負荷であり、移動(物理的な運動)とそれに必要な電力量、さらに列車移動によって生じる電気回路の変化が相互に関連しているため、一般的な電気回路シミュレーターでは目的を達することができません。

そこで、鉄道総研では変電所・電車線路設備データと各種車両性能特性図から得られる数値を用いて、多数の列車が走行している状況での変電所の出力電流や積算電力量、最低パンタ点電圧などを求める運転電力シミュレーションプログラムを構築し使用しています。

路線の勾配・制限速度・停車駅パターンと車両性能データに基づいて、列車の力行・惰行・制動の時間変化(ランカーブ)の推定を行います。次に、推定したランカーブを元にして、全列車の位置と電流値を含む計算用ダイヤを作成します。最後に、計算用ダイヤと変電所・電車線路設備データを組み合わせて回路方程式を立てて解くことを、シミュレーション時間ステップ毎に繰り返します。

図1 最低パンタ点電圧発生時の列車位置状況例

2.新幹線用運転電力シミュレーションプログラム

基本機能は直流在来線用運転電力シミュレーションプログラムと同様ですが、定速運転やデジタルATC等の最近の新幹線走行パターンを模擬可能としており、運転電力(瞬時値、積算電力量)計算に必要十分な精度を持ちます。RPC等の電力補償装置にも対応しています。

図2 新幹線における運転電力(瞬時値)計算精度の比較例

3.変電所電磁界計算用シミュレーションプログラム

鉄道用変電所(直流・交流)の電磁界を精度よく計算する手法を構築しました。本手法により、変電所の設計段階における発生電磁界の推定や、電線路配置の変更などによる電磁界の低減対策の定量的評価が可能となっています。

図3 直流鉄道用変電所の磁界低減対策例
(一般的な配置で最大となる直流発生磁界を100%とした相対値)
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