局地風を考慮した鉄道沿線の強風箇所抽出方法

運転規制区間の設定と風速計の配置を最適なものとするため既存の鉄道沿線の強風箇所を抽出する手法を改良しました。

強風時の鉄道運行の安全を確保するために、風速計による風監視に基づく運転規制が行われています。ここで、運転規制区間の設定と風速計の配置を最適なものとするためには、対象区間における風の局地性をふまえた強風箇所の把握が不可欠です。これまでに、数値シミュレーション技術と地形因子解析を組み合わせて、鉄道沿線の強風箇所を抽出する手法を作成してきました。この方法では、台風や冬の季節風などといった「広い範囲で強風となる場合」が主な対象となっていました。

強風には台風や冬の季節風によるもの以外にも地形と気象状況がある特定の条件を満たした場合に発生する局地風(おろし風やだし風など)によるものがあります。しかし、これまでに開発した方法ではこれらの局地風まではカバーできていませんでした。そこで、局地風が吹く地域についても強風箇所を抽出できるように手法の改良を行いました(図1)。

図1 強風箇所抽出方法の改良点

これまでの方法では流体モデルを用いて計算していた200m程度の細かい格子間隔の計算についても気象モデルを使って計算することで(計算に要する時間は増加しますが)局地風が吹く領域をより現実的に再現することができるようになりました(図2)。この結果を用いることで、局地風による強風箇所を抽出できるようになります。

図2 数値モデルで得られた強風箇所(局地風と判断された箇所)の違い
(赤色:局地風と判断された箇所)

本手法では、公的機関が配布している気象データ、地形データを用いることで、鉄道の強風対策に必要な基本データを作成することができます。本手法で得られる強風マップ(最大瞬間風速の再現期待値分布)は、①対象区間の強風域に則した合理的な規制区間の設定、②対象区間における風速計の最適配置箇所の判定、などへ活用できます。

参考文献

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