2. 鉄道地震災害シミュレーター

  • 地震に対する路線の弱点箇所を抽出可能なシミュレーターを開発しました。
  • 実被害と比較し、損傷評価を精度よく実施できることを確認しました。
  • 耐震補強の検討や復旧シナリオの作成に活用できます。

地震に対する路線の弱点箇所を抽出できる鉄道地震災害シミュレーターを開発しました(図1)。本シミュレーターは、断層・地盤・構造物の情報をデータベースとして用意し、そのデータを用いて断層.地盤.構造物をモデル化し、地盤・構造物の地震応答を評価するものです。また、解析により得られた被災状況を地図情報と連携させるとともに、被災箇所における構造物の損傷イメージを可視化する機能も有しています。

本シミュレーターは、入力されるデータの種類と量に応じて最適な解析モデルを選択します。詳細なデータが得られている場合は、断層から基盤までは3次元FEMモデル、表層地盤は2次元FEMモデル、構造物は3次元骨組モデルを使用します。これにより、設計計算で要求されるのと同程度の精度で地震応答を評価できます。

兵庫県南部地震(1995)と比較することにより精度検証を行い、被害の大きかった13kmの区間(図2(a))を対象に地震動から構造物の地震応答・損傷までを評価しました。構造物は69基の高架橋を対象としました。本シミュレーターを用いた地震動評価の精度は、計測震度の最大誤差で±0.5程度でした(図2(b))。また、構造物の損傷評価の精度は、補修を必要とする損傷を検知するという観点で整理すると誤差は12%程度(安全側の評価)でした(図2(c))。路線における弱点箇所の抽出には十分な精度と考えられます。

今後想定される首都直下地震や南海・東南海地震に対しては、全線の中から事前に弱点箇所を抽出し、耐震補強の検討や復旧シナリオの作成を行うことが重要です。本シミュレーターはそれを支援するためのツールとして使用できます。

図1 鉄道地震災害シミュレーター
図2 精度の検証例
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