第349回 鉄道総研月例発表会

日時 2021年08月02日(月) から
場所 ウェブ配信(視聴無料)
主題 環境工学に関する最近の研究開発

プログラムと発表内容

(関係研究部 環境工学研究部 鉄道力学研究部

アンケートとご質問は締め切らせていただきました。
お忙しい中ご協力いただいた皆様に、御礼申し上げます。


鉄道における空気力学に関する最近の研究開発

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鉄道車両が走行すると、車両は空気力を受けると同時に、周囲の空気に作用して沿線に空気力学的な現象を引き起こす。車両側への影響に関する現象としては、強風による車両の転覆、車両の空気抵抗などが、沿線側への影響に関する現象としては、空力音やトンネル微気圧波などの沿線環境に関わる現象や、列車通過時の圧力変動、列車風などの線路に近接する構造物や人に影響を及ぼす現象などが挙げられる。本発表では、これらの現象に対する鉄道総研の最近の研究開発を紹介する。
 鉄道総研報告 Vol.34 No.3「鉄道における空気力学・騒音に関する最近の研究開発」

発表者
環境工学研究部長 長倉 清


理論解析と模型実験によるトンネル内温熱環境予測手法の検証

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温熱環境対策として都市トンネルに換気装置が設置される場合がある。その必要容量を正しく見積もるには、トンネル内の温湿度変化を正確に予測することが必要である。そこでトンネル内温熱環境シミュレーションの予測精度検証のために、基礎方程式の解析解との比較によりシミュレーションの数値計算誤差が小さいことを確認した。また、模型実験結果とシミュレーション結果を比較した。さらに、模型実験の測定結果とシミュレーションの計算結果の差の原因を調べた。本発表ではこれらの検証の結果について報告する。
 鉄道総研報告 Vol.34 No.3「理論解析と模型実験によるトンネル内温熱環境予測手法の検証」
 鉄道総研報告 Vol.30 No.7「模型実験によるトンネル内温熱環境予測手法の検証」

発表者
環境工学研究部 熱・空気流動研究室 主任研究員 斎藤 寛之


軌道面付近に敷設された平板状設置物の風洞試験による風荷重評価

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軌道保守の省力化等を目的として開発された道床形状保持プレート(以下、プレート)について、営業線への敷設にあたり、近年多発している台風や竜巻等の異常気象も想定し、強風による飛散の可能性を検討する必要がある。そこで実際に鉄道で使用されるバラストを用いた風洞試験を実施し、プレートにかかる空気力を測定した。さらに現地で吹く可能性のある最大風速を算出し、風洞試験で測定した空気力を用いて現地でプレートにかかる風荷重を推定し、飛散可能性が低いことを報告する。
 鉄道総研報告 Vol.35 No.6「軌道面付近に敷設された平板状設置物の風洞試験による風荷重評価」

発表者
環境工学研究部 車両空力特性研究室 研究員 中野 高志


長大緩衝工に対応した開口部調整方法の開発

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従来の緩衝工は緩衝工長手方向の開口部開閉パターンを変化させることにより、微気圧波低減効果の高い条件を試行錯誤的に決定していた。しかし、この方式では長大緩衝工のように開口部数が多くなる場合においては微気圧波低減に最適な開口部配置を探索することが困難であった。そこで、開口部数が多い場合においても、少ない試行回数で微気圧波低減効果の高い開口部を決定できる「開度調整方式」を開発した。本発表では、「開度調整方式」による微気圧波低減効果を模型実験および現地試験の結果を踏まえて報告する。

発表者
環境工学研究部 熱・空気流動研究室 研究員 大久保 秀彦


多分割舟体と舟支え部の改良によるパンタグラフの空力音低減手法

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新幹線のさらなる高速化を実現するうえで、パンタグラフの空力音を低減することは重要な課題となっている。本研究では、パンタグラフの主要な空力音源である舟体・舟支え部に着目し、舟体については多分割舟体機構を有する平滑化舟体を、舟支え部については舟位置変更および頂点カバーへの多孔質材の適用をそれぞれ提案し、それらの実機仕様の供試体を用いて大型低騒音風洞において空力音低減効果を確認したので報告する。
 鉄道総研報告 Vol.34 No.8「平滑化舟体と舟支え部の改良によるパンタグラフの空力音低減」
 鉄道総研報告 Vol.34 No.8「多分割舟体の追従機構と揚力補償手法」
 鉄道総研報告 Vol.24 No.4「部材間干渉緩和と多孔質貼付によるパンタグラフ空力音低減」
 鉄道総研報告 Vol.33 No.6「多分割舟体による接触性能向上手法」
 鉄道総研報告 Vol.31 No.4「舟体・舟支え部の形状改良によるパンタグラフの空力音低減」
 鉄道総研報告 Vol.22 No.5「多孔質材の表面貼付による空力音低減効果と集電装置への応用」

発表者
鉄道力学研究部 集電力学研究室 主任研究員 光用 剛


音響透過板を用いた台車部空力音の測定および評価手法の開発

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高速走行する鉄道において、台車部付近で生じる空力音(台車部空力音)の発生源の特定およびその低減が重要な課題である。そこで、台車部直下の地面板を、音は透過するが空気の流れは通しにくい性質を有する「音響透過板」で置換し、この直下にマイクロホンアレイを設置して測定を行う風洞試験手法を開発した。本手法を用いて、台車部空力音の音源分布および低減対策を適用した場合の結果を評価したので報告する。
 鉄道総研報告 Vol.34 No.3「音響透過板を用いた台車部空力音の測定および評価手法」

発表者
環境工学研究部 騒音解析研究室 研究員 澤村 陽一


高速鉄道の曲線区間で発生する高周波音の音源特性の解明

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鉄道の一部の曲線区間で、列車通過に伴って10kHz以上の周波数域の音(高周波音)が発生し、沿線騒音全体に対して大きな寄与をもつ場合がある。これまでに在来線で発生する高周波音の特性の調査が行われ、その主要な音源は外軌上車輪であることが示されている。高速鉄道においても高周波音の発生事例が報告されているが、その特性は明らかになっていない。そこで、高速鉄道での音源特性を調査するとともに、レール振動とレール近傍での騒音の測定結果から音源別寄与度を評価したので報告する。
 鉄道総研報告 Vol.34 No.3「高速鉄道の曲線区間で発生する高周波音の音源別寄与度評価」

発表者
環境工学研究部 騒音解析研究室 副主任研究員 川口 二俊

動画公開期間:6か月