第383回 鉄道総研月例発表会
| 日時 | 2026年07月15日(水) 13:00~16:50 |
|---|---|
| 場所 | 日本工業倶楽部会館2階 大会堂 |
| 主題 | 鉄道地震工学に関する最近の研究開発 |
プログラムと発表内容
入場無料です。
受付は12:00から開始いたします。
ご聴講は事前登録制です。ご来場の際には参加証をご持参ください。
定員になり次第締め切らせていただきますので、お早めにご登録ください。
事前登録期間:2026年6月15日(月)10時から7月13日(月)12時まで
関係研究部 鉄道地震工学研究センター
南海トラフ巨大地震など、鉄道路線が広域にわたって強い揺れを受ける可能性のある大規模地震に対し、被害を最小限に抑えて早期復旧や運転再開を可能とするため、設計標準を基本として、早期地震警報や各種の耐震対策、事前のシミュレーションによる被害想定など、ソフトとハードの両面から対策が必要とされている。本講演では、こうしたレジリエントな鉄道システムの推進に関する最新の取り組みについて紹介する。
- 発表者
- 鉄道地震工学研究センター 研究センター長 豊岡 亮洋
主に近地地震に対する警報の即時性向上を目的として、P波検知後最短1秒以下で警報出力可能な早期地震警報手法を開発した。本手法は、観測されたP波振幅に対して地点ごとの地震動増幅特性を反映したS波/P波振幅比を乗じることで直後に到来するS波振幅をリアルタイムで予測するものであり、その予測振幅値が規定値を超過すると警報を出力する。本発表では、本手法の導入による輸送影響や地震時運転規制シミュレータを用いた導入効果の評価結果について報告する。
- 発表者
- 鉄道地震工学研究センター 地震解析研究室 主任研究員 森脇 美沙
機械学習法を用いた早期地震警報手法を開発した。本手法では、しきい値を超える地震動のみを高精度に判定する機械学習モデルを使用する。このモデルは、しきい値を超える地震動に対して高精度で警報を判定すると同時に、列車振動などのノイズも正確に識別可能である。また、実際のしきい値超過前に警報を予測できるため即時性が確保され、処理負荷が小さいため実装も容易である。開発手法を地震計実験機に実装し、連続正常動作を確認したので報告する。
- 発表者
- 鉄道地震工学研究センター 地震解析研究室 主任研究員 野田 俊太
鉄道総研では、地震発生直後に面的な地震動分布を推定する手法を開発している。この手法では、使用する地盤情報や空間補間方法が経験的な判断に基づいて設定されている。一方、近年の機械学習技術の著しい発展を踏まえると、これらを機械学習に置き換えることで面的地震動推定の精度向上が期待される。そこで、機械学習を用いた面的地震動推定手法を開発するとともに、従来手法と比較して精度向上が得られることを確認したので報告する。
- 発表者
- 鉄道地震工学研究センター 地震動力学研究室 主任研究員 月岡 桂吾
液状化地盤上に位置する鉄道盛土の耐震設計では、主に支持地盤全体が液状化層である模型実験結果に基づく実験式を用いて液状化時の沈下量の目安を推定する場合がある。この実験式は実務的であるが、液状化層が薄い場合などでは沈下量を過大評価している可能性がある。一方、薄層での液状化挙動は未解明であり、沈下量評価法も未確立である。そこで、薄層の液状化を再現可能なせん断土槽を開発するとともに、重力場での振動台実験を実施して薄い液状化層が盛土の地震時沈下量に与える影響を確認したので報告する。
- 発表者
- 鉄道地震工学研究センター 地震動力学研究室 主任研究員 伊吹 竜一
鉄道総研では、鉄道の現場への適用性やコスト面に優れた液状化対策工法である、脈状地盤改良工法を開発している。本工法をはじめ、密実化による液状化対策工法の適用にあたっては、改良効果の長期的な経年変化が未解明であるという課題点があった。そこで本研究では、約10年前に試験施工を行った現場において再度地盤調査等を実施し、液状化対策効果が概ね維持されていること等を確認したので報告する。
- 発表者
- 鉄道地震工学研究センター 地震動力学研究室 研究員 小野寺 智哉
全線の構造物群の地震シミュレーションを実施可能な「鉄道地震災害シミュレータ」が開発されている。しかし、構造物群の解析モデル構築に必要な情報を図面等から読み取るには多くの予算、時間を要するという課題があった。そこで、画像解析技術等を駆使することで、従来よりも効率的かつ高精度に解析モデル構築に必要な情報を抽出する手法を構築し、これら手法による地震シミュレーションの信頼性を評価したので報告する。
- 発表者
- 鉄道地震工学研究センター 地震応答制御研究室 主任研究員 小野寺 周
橋りょう・高架橋の地震時回転挙動が電化柱などの付帯設備や車両の地震時挙動に影響を与えることが確認されている。一方で、構造物の回転挙動のメカニズムの把握については十分に実施されていない。そこで、理論的・解析的検討を行うことで、回転挙動に影響を及ぼすパラメーターの抽出および影響程度を把握した。また、実構造物における回転挙動の計測を通じて、実構造物の回転挙動を定量的に把握したので、これを報告する。
- 発表者
- 鉄道地震工学研究センター 地震応答制御研究室 研究員 山下 大輝
現在の耐震設計、耐震診断では、材料特性や各種調査、解析等のばらつきを考慮する必要があるが、一般的には用いられる調査法、解析法によらず標準的な安全係数が使用されている。そのため精度の高い調査や解析を実施しても、安全係数を変更することが困難であった。そこで今回、用いる調査法、解析法に応じて安全率をきめ細かく設定し、これを用いて構造物の性能照査を行う手法を開発したので報告する。
- 発表者
- 鉄道地震工学研究センター 地震応答制御研究室 主任研究員 松本 星斗
司会:是永 将宏(鉄道地震工学研究センター 地震解析研究室長)
都合により、プログラム(タイトル、発表順など)を変更することがあります。
- 会場内のビデオ・写真・レコーダ等による撮影および録音等はご遠慮ください。
