切土のり面工の健全度評価手法

1.研究背景

切土のり面には張コンクリートなどののり面工が施工されていることがあります(図1)。こののり面工の背面を調べると、地山が風化している場合があります。地山の風化が著しく進行していると、のり面工が地山ごと崩壊する可能性がありますが、これまで地山の風化程度に基づく切土のり面工の健全度評価手法はありませんでした。

2.評価手法

模型実験によって地山の風化程度と発生する土圧の関係、およびのり面工の不安定化メカニズムを明らかにしました。これらの成果に基づいて、地山の風化程度・のり面勾配・のり面工の厚さに基づいて簡易に切土のり面工の健全度を評価をできるノモグラムを作成しました(図2)。

参考文献

  1. 太田直之、高柳剛、杉山友康:A Method for Evaluating the Stability of Cutting Slope Protection Work Subject to Weathered Layer Earth Pressure, Quarterly Report of RTRI、Vol.52, No.1, pp.20-26, 2011.01
  2. 太田直之、高柳剛:切土のり面の張コンクリート工の健全度を評価する、RRR、Vol.67、No.9号、pp.12-15、2010.09
  3. 太田直之、高柳剛、杉山友康、輿水聡:地山の風化により切土のり面工に作用する土圧の実験的評価、鉄道総研報告、第24巻、第5号、pp.23-28、2010.05
  4. 高柳剛、太田直之、杉山友康:地山の風化を考慮した切土のり面工の健全度評価法に関する検討、土木学会第65回年次学術講演会、2010