第377回 鉄道総研月例発表会
| 日時 | 2025年11月12日(水) 13:30~16:30 |
|---|---|
| 場所 | 日本工業倶楽部会館2階 大会堂 |
| 主題 | 人間科学に関する最近の研究開発 |
プログラムと発表内容
入場無料です。
受付は12:30から開始いたします。
ご聴講は事前登録制です。ご来場の際には参加証をご持参ください。
定員になり次第締め切らせていただきますので、お早めにご登録ください。
事前登録期間:2025年10月14日(火)10時から11月10日(月)18時まで
関係研究部 人間科学研究部
鉄道総研人間科学分野では、鉄道システムに関わる人間に着目し、安全性、利便性、快適性の向上を目指したヒューマンファクターに関する研究を行っている。ここでは、最近の取り組み全体を概観しながら、鉄道従事員のヒューマンエラー防止をはじめ、鉄道利用者の安全・安心、快適性の向上などに関する取り組みなどの代表的な成果について報告する。
- 発表者
- 人間科学研究部長 遠藤 広晴
危険感受性は、作業環境中の、事故や労働災害につながる可能性のある危険を発見したり想定したりする能力である。危険感受性を高めるには、何が危険につながるか(危険源)に関する知識や危険源を探そうとする態度、それらを作業現場で発揮する技能を持っていることが重要である。本発表では、この中の技能の訓練課題の概要とその効果、活用方法について報告する。
- 発表者
- 人間科学研究部 安全心理研究室 主任研究員 増田 貴之
鉄道の保守作業では、機械化・システム化による安全性の向上が進んでいるが、人の判断・行動が求められる取り扱いも残されている。そのような場面での触車事故を防止するために様々な教育訓練が行われているが、個人や職場にとって特に必要度の高い教育が分かると、より効果的な教育実施が可能となる。そこで、個人や職場に応じて、特に必要度の高い触車事故防止教育を提案する手法を開発したので報告する。
- 発表者
- 人間科学研究部 安全心理研究室長 村越 暁子
鉄道の乗り心地に関する欧州規格が2024年8月に改訂され、15年ぶりの改訂版であるEN 12299:2024が承認された。本発表では、EN 12299 における主な改訂点について概説するとともに、鉄道総研にて実施してきた乗り心地研究への適用例などを交えながら、鉄道の乗り心地評価や振動測定に関する国際規格(ISO2631-4)、日本産業規格(JIS E 4023)との関連性について解説する。あわせて、乗り心地研究に関する近年の国際的な動向について広く調査した結果を報告する。
- 発表者
- 人間科学研究部 快適性工学研究室 研究員 田頭 尚大
駅や車両のトイレ内の不快臭は、鉄道利用者から多くの意見が挙がる対象の一つである。我々は、利用者から見た駅トイレの清掃品質調査の中で、「におい」に関する評価の一部が「このトイレを再度利用したいか」という評価との相関が強いことを明らかにした。また、駅トイレ内の不快臭の主な原因物質の一つであるアンモニアの発生源探索や不快臭低減対策の効果検証等を、アンモニア検知管より約20倍感度の高い、高感度アンモニア測定機を用いて実施した。本発表では、これら一連の研究成果を取りまとめたので報告する。
- 発表者
- 人間科学研究部 快適性工学研究室 主任研究員 京谷 隆
特殊信号発光機(以後、特発)の気づきやすさ(誘目性)を阻害する要因を明らかにし、対策の比較評価を簡便に実施できる手法を開発した。誘目性を妨げる要因として、運転士の注意リソース不足、運転士の特発動作に対するイメージ不足、類似の外乱光などが挙げられた。特発の縮尺模型、注視を防ぐ視線誘導灯、特発の外乱光となる踏切警報灯・パトランプの模型を用いた比較評価手法で発光パターンの評価を実施し、誘目性を比較評価可能であることが確認できたので報告する。
- 発表者
- 人間科学研究部 人間工学研究室 副主任研究員 榎並 祥太
車掌養成では目視によるホーム上の安全確認技量を身に着けることが重要だが、視線は目に見えないため、安全確認時の目視箇所や、経験の違いによる視線行動の違いなどを定量的に把握する手段がない。そこで、本研究ではVR技術を用いて車掌の視線行動を見える化し、視線の停留等を定量的に把握できるシステムを試作した。本研究では指導車掌と被養成車掌に360°実写映像上でホームの安全確認を行う複数のシナリオを体験させ、視線行動の違いを検証したので報告する。
- 発表者
- 人間科学研究部 人間工学研究室 主任研究員 菊地 史倫
司会:人間科学研究部 人間工学研究室長 中井 一馬
都合により、プログラム(タイトル、発表順など)を変更することがあります。
- 会場内のビデオ・写真・レコーダ等による撮影および録音等はご遠慮ください。
