18. 特殊信号発光機の検査システム

特殊信号発光機は、通常時は滅灯しているため、その見通しの検査の際には実際に発光させる必要があります。そのため、列車運行に影響を与えないように営業時間外に検査をする必要があり、人的・時間的コストが大きいという課題があります。

この解決策として、人間には見えない近赤外線光と、その近赤外線を撮影できるカメラを用いて、列車の運転台から画像認識により特殊信号発光機の見通しを検査するシステムを開発しました(図1)。これにより、営業時間帯でも検査ができ、効率的な検査が可能です。開発した検査システムは、プロトタイプ(図2:車上測定装置、図3、図4:特殊信号発光機)による長期モニターランにより、天候・季節・時間帯などの影響を受けないことを確認しました。

本システムでは、営業時間帯での1往復の走行により線区全体を検査する画像データを収集でき、モデル線区の試算では検査日数を従来の30%に削減できることを確認しました。また、列車が特殊信号発光機を通過するまでの連続した検査が行えることから検査精度が向上します。導入時には、発光機の取替えと、検査時には、車上の測定装置の搭載を必要とします。