25. 地域鉄道における駅乗降客数の推測手法
地域鉄道における投資や施策の検討には、ベースとなる各駅の日々の利用実態を把握する必要があります。しかし、多くの地域鉄道では自動改札機やIC乗車券等が未整備のため、正確で継続的な把握には、現地での乗降調査が必要です。一般に、乗降調査は日数を増やすほどデータが増え、駅乗降客数の推測精度の向上が期待できる一方、調査コストも増大します。
そこで、鉄道事業者が日常的に収集している月次のきっぷ販売実績データ、日々のノリホデータに、極力少ない乗降調査データを組み合わせることで、日々の駅乗降客数を高精度に推測する機械学習モデルを開発しました(図1)。また、モデル構築に用いる乗降調査データの日数を変化させて精度を比較し、必要な精度を得るための乗降調査日数の目安を提案しました。開発したモデルにより、ある線区の13駅を対象に乗降客数の推測を試行したところ、これまで一般的に用いられてきたきっぷの月次販売実績を集計して推測する手法に対し、乗降調査データを2 日分付与のモデルで推測誤差が53%、5日分では66%低減しました(図2)。既往研究や国の指針に基づけば、本手法による推測は、二次交通(駅と目的地の間の端末交通) の検討に活用可能な精度です。
本手法は、鉄道事業者が最小限の調査で駅の利用実態を把握でき、列車の運行本数や編成両数、二次交通の交通モードや運行頻度、駅設備に対する投資など、施策の定量的な判断に活用できます。
