座談会①【鉄道総研の働きやすさ】

参加者プロフィール



 斎藤 綾乃
 人間工学研究室 研究室長
 1996年入社

 研究室のマネジメント業務をしています。研究室長になって2つ目の研究室になりますが、日々無事に研究が進むように心がけています。

 

 武内 陽子
 運転システム研究室 研究室長
 2002年入社
 

 エネルギーに関する研究を電力技術研究部や車両技術研究部などとタッグを組んでやってきました。今は、管理職という立場で、自分も研究しながら背中を見てもらうような形で、研究室が担当している分野全体の底上げを目指しています。 


 後藤 恵一
 構造力学研究室 主任研究員
 2008年入社

 数値シミュレーションを使って、地震時に高架橋上を走行する新幹線の脱線を防ぐための技術開発をしています。構造物、軌道、車両など様々な側面からのアプローチで対策をするという研究を進めています。

 

 野田 俊太
 地震解析研究室 主任研究員
 2008年入社

 地震の早期警報の研究をずっとやってきています。例えば、早期警報の精度を上げるということに取り組んでいます。世の中の役に立つことをやれているのは楽しく、ありがたいことだなと思っています。


 清水 紗希
 軌道構造研究室 副主任研究員
 2011年入社

 軌道上で車輪がレール間を乗り移る構造となっている箇所があり、そこで衝撃や落ち込みが発生するので、それらの問題解決に取り組んでいます。数値シミュレーションをメインでやっていますが、その妥当性検証のために現地試験もやっています。


 木下 果穂
 トンネル研究室 
副主任研究員

 2017年入社

 トンネルに関する研究をしています。学生の頃には全くやっていなかった内容なので、最初は上司や先輩にサポートしていただきながらやっていました。一去年までの鉄道事業者への出向の経験も得て、一人でも進められるようになってきました。

20245月当時の内容です


大学時代の研究内容と鉄道総研を選んだ理由

【斎藤】大学院では人間工学を専攻しており、人間工学が活用できるところに就職したいと思っていたところ、人間工学会の賛助会員リストに鉄道総研の名前があり、鉄道総研を知りました。社会に貢献できればよいなと思い、鉄道総研を志望しました。

【野田】学部は地学系の学科に所属していましたが、在学中の2003年の宮城県沖地震がきっかけで、大学院では地震学を専攻しました。
 博士進学を決めていた修士2年の時に鉄道総研を知りました。鉄道総研では地震の早期警報の研究をしていると知り、鉄道総研で研究を続けたいと思い、志望しました。

【清水】土木系の学科で研究室配属後にレールの軸力測定の研究を行いました。この研究テーマを選んだ理由は、「レールの軸力を測定する」という目的が明確だったからです。
 研究がすごく楽しいなと思い、できれば研究開発職に就きたいと思っていました。当時、鉄道総研と共同研究をしていたので鉄道総研のことは知っていたのと、大学の先生から鉄道総研は出産や育児をしながら働き続けている女性が多いと聞き、志望しました。

【武内】情報系の学科で、数理最適化や確率論を専攻する研究室に配属になりました。実際の現象をモデルにして、数式で解いたり、シミュレーションしたりすることに興味があり、人の混雑をシミュレーションする研究を行いました。
 研究開発職に就く気はありませんでしたが、大学の研究室の先輩が鉄道総研のパンフレットを見せてくれたことがきっかけで、研究開発職という進路を考えるようになりました。結婚して子どもができても働き続けたいと思っていましたが、鉄道総研は福利厚生がしっかりしていて、子どもができても働いている方が多いので、私も何とかやっていけるのではないかと思いました。

【後藤】土木系の学科で、元々インフラ系に興味があり、建物や橋りょうを数値シミュレーションで扱う研究室に入りました。構造物への衝撃作用、具体的には、落石などから道路を守る構造物や、地震時の高架橋同士の接触に関して数値シミュレーションをする研究をしていました。
 指導教授が鉄道総研と共同研究をしていたのがきっかけで、鉄道総研を知りました。社会インフラに興味があり、将来的には何かしら社会に貢献できるような仕事に就きたいと思っていたので、鉄道総研は自分の方向性とかなり合っていました。研究開発職がネックでしたが、出会ったリクルーターの方が技術士や博士をとって第一線で働いているところを見て、こういう働き方がしたいと思ったのがきっかけです。

【木下】土木系の学科で、コンクリートを専門にする研究室に所属し、農業用水路の補修材料の研究をしていました。元々物作りが好きで、トライアンドエラーして実験を進めていくことが楽しいと思い、実験をたくさんする研究を選びました。
 技術的なことに関わる仕事がしたいと思っていて、その中で研究開発職もありかなと思っていた時に、鉄道総研で働く大学の先輩から話を聞き興味を持ちました。私も女性の先輩が多く働き続けていると聞いたので、鉄道総研を志望しました。

入社後に感じた鉄道総研の魅力や強み

鉄道総研の魅力や強みはたくさんありますが、一番は鉄道の色々な分野が全部ここにあって、風通しもよいので、分からなかったら、すぐに話を聞きに行けることです。インターンシップでは、「鉄道の知識は必要ですか?」と学生さんからよく聞かれるのですが、鉄道の知識も最初はゼロで大丈夫で、分からないことがあったらその専門の人に歩いて聞きに行くことが大事だし、それができるのが鉄道総研の強みかなと思います。あとは、比較的ずっと同じメンバーで同じ研究室にいるので、例えば育児休暇を取っても、長期的に考えて後から返せる時も来る、みたいな感じで働けるのはよいことかなと思います。

色々な分野の専門家が近くにいることが、研究のスピードを上げることにつながっていると思います。物理的にも、職員数が550人くらいで心理的にも近いことは、研究所としての大きな強みだと思っています。また、その中で自分の分野の専門家を目指せるところが魅力です。

色々な分野の人がすぐそばにいてすぐアクセスできるというところは強みで、ありがたい研究環境だと思います。あとは、測定や解析という自分たちの技術を持っているので、それを伸ばすことで、その分野のトップになれて、色々な人から頼られる人材になれるというところも大きな強みかなと思います。

私は理学系出身で、分からないことを解明する分野を専攻していましたが、それだけでは物足りないと感じることもありました。鉄道総研では、特に鉄道事業者を通じて、世の中に貢献できる仕事ができることが魅力だと思います。

子育てをしながら働いているので、学校の行事や子どもが熱を出して早退することもあるのですが、研究室でも同じように小さい子どもを育てながら働いている男性職員の方も多いので、みんなでお互いにカバーしながら働いていけているところです。

若手のうちから、意見や考えを取り入れてくれるところがあると思います。自分で考えてそれを提案して納得してもらえれば、若くても成果に使ってもらえるので、やりがいがあります。あと、色々な人と関わることが多いところです。所内もそうですし、所外では、鉄道事業者やメーカー、大学の先生や研究者などと関わることが多いので、色々な知見や考えに触れられて、刺激は多いと思います。

鉄道総研で活躍できる人はどんな人

与えられた課題を解くのではなくて、問いを立てられる人、それを簡単な言葉で言うと、探求したい人とか研究したい人が活躍できるのかなと思います。

自分の力で調べて自分でどんどんやっていける人、「これ面白そう」とか「この解析方法はどうやるのだろう」というように自分で進めていくことができる人の方が活躍しやすいのかなという気がします。

色々なことに興味、好奇心を持って主体的に取り組める人が活躍していくのかなと思います。あと、一人でやっても研究の領域が広がっていかないので、色々な人とコミュニケーションを取りながら、色々な人のスキルや技術を吸収できるような人が活躍できるようになるのではないかと思います。

鉄道総研は、育児などをしながらでも研究に取り組み続けられるので、研究したい方が活躍できるかなと思います。

私の周りで活躍している先輩には、自ら学んでいる人が多いです。今まで使っていなかったプログラムを急に使い始めたり、一緒に現場見学に行った時にも大量のメモを取っていたりとか、そういう人たちが尊敬できる先輩です。

研究はうまくいかないことの方が大半だと思っているので、そういう時にめげないで、周りの人の力を借りてコツコツ取り組める人がよいかなと思います。

自分のやりたい事だけにこだわらずに、社会の状況や技術の進歩に対応して、その時に必要なことをやっていけるような柔軟性も必要かなと思います。

鉄道総研の働きやすさ

仕事の中で、実験計画を作ったり、解析したり報告書を書いたりというように個人でやることも多いので、そういったところは時間が自由にでき、フレックスタイム制度などを活用しやすいと思います。

一番使いやすいのは フレックスタイム制度かなと思います。朝ドタバタして、なかなか時間通り保育園に送るのは難しいのですが、10時までに出社すればいいので、心に余裕を持ちつつ子どもを見守ることができています。

テレワーク勤務制度もよいなと思います。小学校低学年の子どもなどにとって、家に帰ったらお父さんやお母さんがいるというのは良いことではないかと思います。

フレックスタイム制度、テレワーク勤務制度があることや年休が取りやすいことは、若い人にとっても魅力的な部分かなと思います。

私もフレックタイム制度はすごく助かっています。あと、よく使うのは育児看護休暇制度です。子どもたちを病院に連れて行く時に使っています。育児のための短時間勤務制度も使って働いています。

私の研究室でも、子育て中の職員が短時間勤務制度を使っています。短時間勤務制度は1ヶ月単位で取れるので、例えばお子さんの夏休みの8月だけ取るというような取り方もできるのでよいなと思います。

育児看護休暇制度は、2021年から時間単位で取得できるようになって、時間単位だと、子どもの体調に合わせて細かく休暇が取得できるので、ありがたいですよね。子どもの健診や予防接種の時にうまく使っている職員も多いです。

私は、1日1時間勤務を短縮できる育児時間をフル活用させてもらっています。職場の方に迷惑をかけているところもあるのですが、あたたかく見守ってサポートしてくれていて、ありがたく思っています。

ここ数年、育児休業制度を活用する人が男性でも増えていて、会社全体として取りやすい雰囲気があるのはとても良いことだなと思っています。

私も子どもが生まれた時に産後パパ育休(出生時育児休業)を取りました。

皆さんそれぞれのその時の事情に合わせてうまく制度を使っているな、若い方たちも制度をうまく使って効率よく仕事をしているなと感心しています。年休も取りやすく、私も子どものサッカーの試合が平日にあった時は、ほぼ皆勤賞で行っていました。あと、スーパーフレックスは、例えば、病院などで10 時までには出社できないけれど12 時までには出社できるというような時に使います。

社宅が近いのは大きいです。配偶者の方が少し遠くに通勤されていて、鉄道総研の職員は職場が近いので夕方早く帰って夕食作りを担当しているというケースをよく聞きます。皆さんフレックスタイム制度などを活用して、子どもの学校行事に参加されているようです。制度があるだけでなくて、使いやすい雰囲気があると感じています。

私も社宅がすごくいいなと思っています。社宅に住んでいる職員同士で、子どもの面倒を見るのを助けてもらったりもしています。

研究はもちろん皆さんやっているのですが、研究以外のことも頑張っている人が多いように思います。例えば、研究をすごくやりつつ、小学校のサッカーチームのコーチを頑張っている方ですとか、皆さん活動的だな、エネルギーがすごいなと思います。

プライベートとの両立は、とてもしやすいと思っています。近所の人からも、鉄道総研の職員は育児に熱心だねと言われることが多いですし、育児だけでなく、プライベートの面で仕事以外の何かに熱心に取り組んでいる人が多いと感じています。

鉄道総研での研究者のキャリア形成支援

私はいま博士号取得のため大学に在学中です。博士号のテーマについて研究室長からアドバイスをいただくなど博士号取得のためにとても支援していただいています。

鉄道総研は、博士号取得や海外派遣を支援する環境にあると思います。私の研究室にも共同研究でイギリスに派遣された職員がいます。

私はアメリカに2年間行き、その成果をもとに博士号を取得しました。海外に行くとすごく力がつくと思います。

私は、入社3年目で技術士、入社10年目で博士号を取得し、その後、海外派遣を経験しました。技術士は研究部内で勉強会があり、取得しやすかったです。

私は、先日、技術士を取得しました。技術士の取得にあたっては、鉄道事業者への出向で鉄道現場のことを学べたことがとても役立ちました。

鉄道事業者への出向は、現場のことを学ぶことができるとてもありがたい経験です。今後、自分がどのような研究をつきつめていきたいのかを考えるきっかけにもなると思います。

就職活動に臨まれる学生の皆さんへのメッセージ

色々な企業について調べるとともに、ぜひ社員の方の生の声を聴いて、仕事内容もそうですが、プライベートでも充実した時間を過ごせる就職先を見つけていただきたいです。また、何でもいいので打ち込めるものを見つけて、精一杯取り組んでいただければ、今後の糧になるのではないかと思います。

今後、働きながら家庭を持ったり子育てをしたりなど、これまでとは生活スタイルが変わることもあると思います。そういった場合にどうするかも含めて、就職活動に取り組むとよいと思います。

社会は大きく変わってきていると思いますので、「この会社は変化に対応できそうか?」という視点で見ていただくとよいのではないかと思います。

鉄道総研には、様々な学びの機会があります。私自身も働きながら学んだことは非常に多く、鉄道事業者への出向を通じて様々な経験をし、技術士の資格も取得することができましたし、これから博士号取得にも挑戦したいと思っています。

鉄道総研に興味を持たれたら、ぜひインターンシップに参加してください。

ぜひ色々な会社をみて、ご自身が働きたい方向性と合致する会社を選んでください。鉄道総研は、ビジョン「革新的な技術を創出し、鉄道の発展と豊かな社会の実現に貢献します」を掲げており、このビジョンに共感いただける方と一緒に働けたら、とても嬉しいです。