運転曲線予測を活用した運転支援システム

1.運転支援システムの概要

運転士による運転操縦のばらつきを低減して定時性と省エネ性の向上を図るため、衛星測位情報から得られた列車位置及び速度と、駅や勾配などの線路データベースを用いて、リアルタイムに速度の推移(運転曲線)を予測し、通過駅までの推奨運転方法を提示する運転支援システムを開発しました。運転台に設置したタブレット端末にて、その時点での列車位置と速度を起点として、 複数の運転方法による運転曲線を予測し、その中から定時性及び省エネ性の観点で優れたものを実現する運転方法を推奨運転として運転士に提示します(図1)。本システムは、推奨される運転方法とその運転における駅の通過予測時分や速度推移を表示する(図2)とともに、推奨運転方法を適宜アナウンスします。これによって、定時性が向上するとともに、不必要な加減速の回避や、 走行抵抗損失や主回路機器損失の少ない運転をすることで省エネとなることが期待されます。

2.省エネ効果の評価

複数の運転士により複数の貨物列車を対象として、運転支援システムの使用有無の条件で、消費エネルギーを比較しました。省エネ効果は走行する線区の勾配や走行時分によって異なりますが、4~14%程度得られることを確認しました(図3)。

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参考文献

  1. 小川知行、横内俊秀、齋藤達仁:「省エネ運転を支援する」、RRR、Vol.80、No.4、pp. 32 - 37、2023.07-08