高速パンタグラフ試験装置

1.はじめに

パンタグラフに求められる機能として、架線への追従性能(トロリ線へのパンタグラフの追随)、集電容量(流せる電流の大きさ)、耐摩耗性能(架線との摺動によるすり板の摩耗抑制)、空力性能(高速走行時の空気力及び空力音)があります。

ここでは、上記の内、主に架線への追随性能と集電容量を確認する、高速パンタグラフ試験装置を紹介します。

2.装置概要

主な仕様を表1に示します。

・回転円盤を高速で回転させることで、パンタグラフがトロリ線に接触し、最高500km/hで走行している状態を再現できます(図1)。
・パンタグラフとトロリ線に電流(最大600V、1000A)を流すことで、走行時にパンタグラフとトロリ線間に発生する離線アークや部材の温度上昇等を再現できます(図2)。
・トロリ線の左右偏位、上下変位を再現できます(図3)。
・実トロリ線を用いた試験が可能です(図3)。
・パンタグラフ架台を上下に加振することにより、車両の上下振動を再現できます。
・環境雰囲気制御装置により、気温・湿度の環境条件を制御した試験が可能です。

動画1 試験の様子(試験装置全体)
(回転速度:360km/h、左右加振:2Hz、±200mm、上下加振:2Hz、±10mm、通電:AC200V、600A)
※アーク放電を観測するため、離線が発生しやすい条件で試験をしています。

※上記の動画は外部の動画サイトの埋め込みリンクです。


動画2 試験の様子(パンタグラフ正面)
(回転速度:360km/h、左右加振:2Hz、±200mm、上下加振:2Hz、±10mm、通電:AC200V、600A)
※アーク放電を観測するため、離線が発生しやすい条件で試験をしています。

※上記の動画は外部の動画サイトの埋め込みリンクです。