浮上式鉄道技術研究部

Maglev Systems Technology Division

浮上式鉄道技術研究部の概要

浮上式鉄道技術研究部は、磁気浮上、電磁気、超電導・低温の3研究室からなり、超電導磁気浮上式鉄道に関する基礎技術開発や超電導の研究開発に取り組んでいます。
超電導磁気浮上式鉄道の技術開発は、1996年まで宮崎実験線の約7kmで実験車両による基本走行実験を実施しました。1997年からJR東海と共同で山梨実験線(18.4km)にて走行試験を開始しました。現在も国土交通大臣の承認を受けた技術開発基本計画が進行しており、2013年8月からは延伸した42.8km間で試験走行を継続しています。さらに、超電導磁気浮上式鉄道用地上コイルや車両運動などの研究を実施しています。
超電導技術では、超電導の材料研究を進め、高温超電導材料の作製、評価を実施しています。また、脱炭素化を目指した超電導き電や電力貯蔵などの冷却系を含めた機器開発に取り組んでいます。その他、リニアレールブレーキや非接触給電技術など、在来鉄道への応用も進めています。

浮上式鉄道技術研究部の紹介

超電導磁気浮上式鉄道に関する基礎技術開発として地上コイルの評価や営業線を想定した状態監視、メンテナンス技術およびリニア車両の運動解析技術を推進しています。その他、山梨実験センターの管理、走行試験計画を担当しています。
リニア技術の在来方式への応用研究として、レールと車輪の粘着力に依存しないリニアレールブレーキや架線を必要としない非接触給電技術の開発を進めています。
また、超電導の線材やバルク材の研究開発に取り組んでいます。超電導の製造を含めた材料研究を進め、高磁場発生が可能な超電導バルク磁石の開発、在来方式への応用研究として、電気抵抗ゼロで送電が可能な超電導き電ケーブルでは中央線のき電系統に接続した適用試験を実施するとともに、宮崎実験線において長距離(km級)の超電導き電ケーブルの試験を実施しています。その他、超電導磁気エネルギー貯蔵といった応用機器開発、さらに、GM、スターリング、ブレイトンといった各種冷凍機開発も進めています。超電導技術分野における鉄道総研の技術ノウハウを活かし、基礎から応用までの研究開発を一体的かつ効率的に進め、超電導技術を用いた鉄道分野での技術革新を目指します。

浮上式鉄道技術研究部長 富田優

研究室と担当分野

磁気浮上研究室

超電導磁気浮上式鉄道の地上コイルや車両運動、在来方式鉄道向けの非接触給電や低消費電力無線に関する研究開発

電磁気研究室

超電導磁気浮上式鉄道および在来方式鉄道における電磁現象や電磁界評価に関する基礎研究、超電導・リニアモータ関連技術の鉄道応用に関する研究

超電導・低温研究室

超電導技術の鉄道への応用のための超電導応用機器、冷却システムに関する研究開発、および高温超電導の超電導特性の向上を目指した材料作製と物性評価の基礎的研究

その他