23. 無線式列車制御の設計に用いる通信・運行シミュレータ

  • 列車運行を含む無線式列車制御の安定性を評価するシミュレータを開発しました。
  • 要求される伝送品質と列車遅延回復力を同時に満たし、かつ、最も低コストの無線 通信ネットワーク設計が可能となりました。

無線式列車制御システムでは、各基地局の担当区間に在線している各列車に対して、タイムスロット(各列車が通信に使用できる時間)をリアルタイムに割当てて列車を制御しています。この際、列車がだんご運転状態になってタイムスロットが不足すると、割当てられない列車は停止させなければならなくなります。 このため、無線通信ネットワークの設計にあたっては、伝送品質とともにタイムスロット割当ての可否による列車遅延が発生しないように配慮する必要があります。 これまでの設計では、伝送品質のみを考慮していたため、列車の安定運行に対しては過度に余裕を持たせた設計になっていました。

そこで、鉄道総研で開発してきた無線式列車制御システムの安定性を評価するシミュレータ(無線式列車制御用通信ネットワークシミュレータ)と、列車運行・旅客行動シミュレータとを連成させ、列車運行状況を考慮して伝送品質を評価する「無線式列車制御用通信・運行シミュレータ」を開発しました(図1)。 平常時はもちろんですが、無線式列車制御にとって過酷な列車運行乱れを想定した場合においても、無線通信ネットワークの負荷と列車遅延回復力の双方を、定量的に評価できるようになりました。 また、各基地局の担当区間から、タイムスロットが割当てられずに列車運行が止まってしまうデッドロックが起こる可能性がある箇所を求める手法も構築しました。

さらに、開発したシミュレータ等を用いたシステム設計フローを提案しました(図2)。 これにより、新たに無線式列車制御を導入する線区に対して、要求される伝送品質と列車遅延回復力を満たし、かつ、最も低コストの無線通信ネットワークが設計できます。

図1 無線式列車制御用通信・運行シミュレータ
図2 システム設計フロー
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