21. 鉄道貨物輸送における二酸化炭素排出量の計算手法

 鉄道貨物輸送の利用者は二酸化炭素排出量の報告が求められており、消費エネルギーを簡易かつ高精度に推定する手法が必要です。単位輸送量当たりの消費エネルギー平均値を用いる従来のトンキロ法では、ダイヤや線区など列車の運行条件を考慮できず、列車の違いを評価できない課題がありました。

 そこで本研究では、列車の運行条件に応じた消費エネルギーを簡易に計算できる「長距離列車向け消費エネルギー概算手法」を開発しました。本手法は、貨物列車のように長距離区間を駅通過主体で走行する列車を対象として、走行シミュレーションのように速度推移を細かく再現するのではなく、平均速度一定での走行を仮定して消費エネルギーを算出します。本手法は、走行線区に応じた下り勾配や速度制限でのブレーキ扱いによるエネルギー損失を、あらかじめ路線データから抽出した路線指標を用いて計算し、各損失を積み上げることにより簡易かつ高精度に消費エネルギーを計算できる特徴を有します(図1)。

 本手法の精度検証として、線路勾配や平均速度などの列車の特徴を踏まえて、全国の貨物列車から様々な運行条件の12列車(走行距離延べ約1万km)を選定し、列車ごとの消費エネルギーの実測平均値と比較し、誤差が1割程度であることを確認しました(図2)。

 本手法により、従来は考慮できなかった列車の運行条件に応じた消費エネルギーを計算でき、全国規模での二酸化炭素排出量が計算できることを確認しました(図3)。本手法は、鉄道の利用者の二酸化炭素排出量の見積もりに活用できます。