22. 新幹線車両由来の副産物を原料に含むジオポリマーコンクリート

 新幹線車両などに使われるアルミニウムをリサイクルして再び製品化する際に生じる副産物の水酸化アルミニウムは一般に再利用が難しく、大部分が廃棄されているという課題がありました。

 そこで、ジオポリマーの構成材料の一部にアルミニウム成分が含まれることに注目し、水酸化アルミニウムをジオポリマーの原料として活用したコンクリートを開発しました。ジオポリマーは、製造時に大量のCO2を排出するセメントを用いない環境配慮材料です。鉄道総研のジオポリマー技術は、材料の組合せや配合の自由度の高さに特徴があり、ベースとなるモルタル強度については、水酸化アルミニウムに加えて高炉スラグ(製鉄所からの廃材)を用いることで高強度を実現する配合を明らかにし、砕石を加えたコンクリートにおいても設計基準強度を上回る十分な強度を確保できることを確認しました(図1)。

 次に、開発したジオポリマーコンクリートの高い強度特性を活かし、過酷な衝撃環境下で使用される鉄道用のPCまくらぎを試作しました。試作品は、JIS E 1202 「ポストテンション式PC まくらぎ」のPC3号(在来線直線一般区間)の規定に基づき設計・製作し、寸法、施工性のほか、圧縮強度、曲げ保証荷重、曲げ破壊荷重、埋込栓の引抜保証荷重、引抜破壊荷重等の指標をいずれも満足することを確認しました(図2)。

 今後は、試験敷設等により長期耐久性や疲労特性等を確認してPCまくらぎとしての導入を図り、循環型社会の形成、鉄道の脱炭素化に貢献していきたいと考えています。