パンタステーション3

リアルタイム離線集計装置

新型車両の導入や速度向上に際し、集電性能を評価するためパンタグラフの離線測定がしばしば行われます。この離線測定時の集計作業を自動化し、リアルタイムに離線率を表示する「パンタステーション3」(図1)を開発しました。

離線率は測定した離線をドラム(引留区間)単位で集計し算出します。パンタステーション3では、車軸の速度発電機から出力されるパルス信号を入力することにより走行キロ程と走行速度を把握し(図2)、入力された離線検出信号に対して、オーバラップ位置のキロ程でドラムごとに自動的に離線集計処理を行います。このためにはオーバラップ位置のキロ程やドラム番号の電子データをあらかじめ用意する必要がありますが、手動の押しボタンを用いたオーバラップ位置入力による集計にも対応しています。この場合、手動で集計が行われたキロ程を記録して、オーバラップ位置のデータを作成する機能があり、事前にデータを用意できない場合には、初回走行時のみ手動集計を行い、同一区間における2回目以降の走行では集計を自動化するといったことも可能です。パンタグラフ電流を入力し、力行または回生時のみを離線集計の対象とすることも可能で、データの評価方法に応じた集計方式を選択できます。

離線率のほかに、各ドラムの最大離線時間およびドラム中で最大離線が発生したキロ程、速度、電流のデータが画面上(図3)およびCSVファイルに出力されます。表計算ソフトを用いなくても、このプログラム上で集計した離線率などのデータのソートが実行できますので離線率が大きかったドラムなどがすぐに確認できます。

このほかにも、速度をアナログ電圧として出力する機能や、駅やトンネルのキロ程をあらかじめ登録しておくと駅出発・通過時やトンネル走行時に電圧信号を出力する機能、サーマルチャートと連携しチャートへ印字する機能を備えています。図1にプログラムの動作画面、図2にプログラムの構成を示します。