慣性センサと速度発電機を併用した車上位置検知システム
概要
無線式列車制御システムでは、列車を安全に走行させるため、列車の速度や位置を車上で正確に把握する必要があります。現在は、車上に設置された速度発電機を用いて速度と位置を計測しつつ、地上に設置された地上子を検知することで、位置誤差の補正を行っています。 速度発電機は、車両の輪軸の回転を計測するため、滑走や空転によって位置や速度の誤差が大きくなる場合があります。また、位置を補正する地上子は線路の間に多数設置する必要があるため、経済性と保守性の観点から極力削減することが望まれています。 そこで、車上に加速度と角速度が測定可能な慣性センサを設置し、速度発電機と併用することで、滑走や空転の検知と補正、および位置の補正が可能なシステム(図1、図2)を開発しました。
特徴
- 速度発電機で計測した加速度と慣性センサの加速度の比較によって滑走や空転を検知し、滑走や空転の発生時には慣性センサの加速度や角速度を用いて列車の速度と位置を補正します
- 速度発電機で計測した速度と、慣性センサで計測した角速度を組み合わせて算出した曲率の変化を、あらかじめ登録した線形情報と比較し、列車位置の検知と補正を行います
- これらの計測により、車上完結で正確な列車速度や位置の把握が可能となります