汎用通信回線を用いた無線式列車制御システムの構築手法

概要

無線式列車制御システムの導入が進んでおり、効率的な列車運行と地上設備の削減に寄与しています。今後、5Gなどの汎用通信回線を活用することで、鉄道事業者の自営設備をさらに削減し、設計や保守に関わる業務を大幅に軽減することが期待されます。 そこで、汎用通信回線を適用するために、無線式列車制御システムを設計する手順と、具体的な情報セキュリティの実装手法を提案しました。 これらの手法に基づいてシステムを設計することで、汎用通信回線の適用が容易になるほか、保安装置の更新時期とは独立して、最新の通信技術への置換えや機能向上ができます

無線式列車制御システムを設計する手順

無線式列車制御システムに汎用通信回線を適用するために、基地局などの情報伝達機能と、地上・車上装置の安全に関わる保安制御機能を独立させるシステム構成を提案し、これに基づいて無線式列車制御システムを設計する手順を策定しました(図1)。

情報セキュリティ実装手法

第三者からの通信ネットワークに対する外部攻撃に対して、保安装置が満たすべき安全性と情報セキュリティの要件を定義しました。具体的な実装方法として、暗号技術に基づくセキュリティ対策機能を非フェールセーフモジュールに搭載し、電文ごとにテストデータを用いてその機能の正常動作を診断する手法を提案しました(図2)。

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