UドップラーⅢ
1.はじめに
非接触振動測定による構造物検査作業の効率化・安全化を目的として2007年に開発され、普及を推進してきた構造物診断用非接触振動測定システムUドップラーの新型システム「UドップラーⅢ」を開発しました。
2.UドップラーⅢの仕様と改良点
図1にUドップラーⅢの仕様を、これまでに開発したUドップラーI、Ⅱの仕様と合せて示します。UドップラーIからUドップラーⅡへの移行時に改良した、システムの小型軽量化、無線通信化、自動測定機能などを引き継ぐとともに、次の改良を施しました。 ・測定できる最大速度、最高周波数、測定分解能などを向上しました。これにより従来は測定できなかったレベルの振動、高周波数の振動が測定可能になりました。 ・使用性の向上では、センサ側でのレンジ・フィルタ設定やレーザーの焦点調整のためのレンズ操作を不要にしました。 ・オートフォーカス機能で、最もレーザーの反射が良い状態を自動的に設定できます。 ・センサと収録・解析PC間の通信機能を向上し、長尺のLANケーブルによる有線接続や、より安定した無線接続を実現しました。
図2にUドップラーⅢのデータ収録ソフト画面を示します。収録・解析ソフトの使い勝手は、UドップラーI、Ⅱと共通化しており、収録データのフォーマットも同一です。 ・青い枠内はUドップラーIと同一です。 ・オレンジの枠内は、UドップラーⅡから採用した自動測定機能に関わる箇所です。例えば、振幅の増大をトリガとして、列車通過時の振動を無人で自動収録させることができます。 ・赤枠内がUドップラーⅢで改良した箇所で、従来はセンサ側で行っていたレーザーのフォーカス調整やon/off、レンジやフィルタの設定がPC側のみで実施できるようになりました。