現車の車両床下流れ場測定

鉄道車両の底面と軌道面との間の空間に形成される空気の流れは、空気抵抗、空力騒音、バラスト飛散、車両下部への着雪等の原因となります。これらの問題の解決のためには、車両床下の空気の流れを解明する必要があります。ここでは、JR東日本と共同で実施した、車両および地上での車両床下の流れの測定を紹介します。

「車上での測定」
新幹線車両の床下にレーザードップラー流速計を搭載し、高さ方向の流速分布を測定しました。測定の結果、車両床下の流れは車両編成の位置や軌道条件により異なることが分かりました。

「地上での測定」
地上に熱式流速計9本(S1~S9)を設置し、まくらぎ方向の流速分布を測定しました。測定の結果、新幹線車両の床下流速に関して、レール方向流速のまくらぎ方向における流速分布および車両形式が床下流れに与える影響が分かりました。

参考文献

  1. 井門敦志、山崎展博、栗田健、松本雅則:LDVによる車両床下流速分布の測定、鉄道技術連合シンポジウム(J-Rail)講演論文集2009、pp.199-200、2009.12
  2. 岩﨑誠、井門敦志、山崎展博、宇田東樹、若林雄介:新幹線車両の床下流れの特性、鉄道総研報告、第29巻、第5号、pp.11-16、2015.5