風洞実験による車両表面の空気抵抗測定

新幹線のような車両表面の平滑化が進んだ車両では、車両下部表面の塞ぎ板の継ぎ目や取り付け用のボルト頭などの凹凸(図1)の空気抵抗が無視できない大きさになっている可能性があります。そこで、車両下部塞ぎ板の凹凸の空気抵抗を測定する風洞実験方法を開発し、凹凸の空気抵抗を評価しました。

空気抵抗の測定精度をあげるために、風洞実験において現車の車両下部の流れ場を再現しました(図2)。

現車の車両下部表面を参考にして、風洞実験用の車両下部表面の模型を製作し、各々の形状の空気抵抗を測定しました(図3、図4)。

風洞実験結果から、波板+L型押さえ板の空気抵抗が最も大きく0.6%程度となることがわかりました。この凹凸形状が各車両に10箇所ある場合には、空気抵抗は6%程度となり、無視できない大きさになることがわかりました。

参考文献

  1. 佐久間豊、井門敦志、渡邉耕司、立松知紘:新幹線車両側面の窓および引戸の凹部による空気抵抗、鉄道総研報告、第32巻、第11号、pp.11-16、2018.11
  2. 佐久間豊、中野高志、井門敦志:高速車両の窓やドアの空気抵抗を減らす、RRR、Vol.77、No.10、pp.20-23、2020.10