曲線区間で発生する車輪・レールからの音の音源特性

■曲線区間で車輪・レールから発生する10kHz以上の周波数域の高周波音の音源特性を地上測定により評価する手法を
 開発しました。
■曲線外側の台車前側の車輪が高周波音の主要な音源であることを特定しました。
■車輪・レールから発生する音の特性評価や高周波音の低減対策指針の検討に活用できます。

急曲線区間走行時にきしり音が発生することがあるのはよく知られています。しかし、一部の比較的大きな曲線半径の区間においても、人間の可聴域周波数の上限付近に当たる10kHz帯以上の周波数域の音(高周波音)が車輪・レールから発生し、沿線騒音の評価値に影響を及ぼす場合があります(図1)。この高周波音の低減対策を検討するためには、その発生位置や音源別寄与などの音源特性を把握する必要があります。そこで、現車試験ならびに定常加振試験におけるレール振動・騒音の測定データと指向性収音装置による音源位置特定技術を組み合わせた評価手法(図2)を開発しました。営業線でこの評価手法を適用し、図1に示す高周波音の主要な音源が曲線の外側レール上を走行する台車前側(列車進行側)の車輪であること、車輪からの発生音が列車速度に依存することなどを明らかにしました(図3)。

この評価手法は、高周波音を含む車輪・レールから発生する音に対する音源特性の評価や、高周波音の低減対策指針の検討に活用できます。

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参考文献

  1. 川口二俊,末木健之,北川敏樹:高速鉄道の曲線区間で発生する高周波音の音源別寄与度評価 鉄道総研報告,2020.3,Vol.34,No.3