台車部空力音の詳細な発生部位を特定する風洞試験手法

■「音響透過板」によって、台車部から発生する空力音源を特定する測定手法を開発しました。
■主電動機や歯車装置部が主たる空力音源であることを特定しました。
■台車装置の低騒音化対策を効率的に進められるようになります。

高速走行する車両における空力騒音の主要な発生源は、列車の先頭部、パンタグラフおよび台車部です。この中で台車部については、大型低騒音風洞における風洞試験を通じて低騒音化に取り組んできました。しかし、台車部は側カバーに覆われているため、列車模型の側方からの音源探査では複雑な台車装置の空力音源を明確に特定することができませんでした。

そこで、台車装置直下の地面板を、音は透過するが空気の流れは通さない性質を有する「音響透過板」で置換しました。また、音響透過板の直下にマイクロホンアレイを設置し、台車装置部の下方に近接させることで、台車装置から発生する空力音源を明確に識別できる風洞試験手法を開発しました(図1)。この結果、台車部空力音の主たる発生源は主電動機、歯車装置などであることが明らかになりました(図2)。また、固定された基準音源を用いたスピーカー試験により、音響透過板の有無が音源位置等の測定結果に与える影響は小さいことも確認できました。

今回開発した測定手法を活用することで、車両に搭載されている台車装置の各空力音源を風洞試験で特定できるようになりました。これにより、台車装置の低騒音化対策を効率的に進められるようになります。

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