27. 盛土のり面における降雨時の侵食評価手法

 侵食は表面水により地盤材料が流失する破壊形態であり、鉄道盛土のり面においても豪雨等により大規模な侵食被害が報告されています。特に、急勾配の盛土では、顕著なのり面の侵食が懸念されます。しかしながら、盛土材料の侵食について評価するための試験法や解析法は、整備されていませんでした。

 そこで、侵食に影響を及ぼす土の密度や飽和度を考慮できる侵食試験装置を開発し、表面水の流速と侵食速度の関係を侵食抵抗力として評価しました(図1)。この試験では、盛土材料で構築した供試体表面に一定流速の水を流し、侵食量に応じて供試体を押上げ、その速度を侵食速度として評価します。試験の結果、侵食には土粒子と土塊の二つの流失形態があり、低流速では土粒子の流失が主体で、飽和度が侵食抵抗力に及ぼす影響が小さいことがわかりました。一方、高流速では土塊が流失し、飽和度の増加に伴う土の強度低下により、同一侵食速度に対応する流速が小さくなることが明らかになりました。

 次に、平面流体解析による盛土のり面を流れる表面水の流速分布と、侵食試験装置から得られる侵食抵抗力(図1)を用いて盛土のり面の侵食量を定量的に評価する手法を提案しました(図2)。この手法を模型越流実験で検証するとともに、これまで評価できなかった盛土材料の飽和度により変化する侵食量を平均誤差30%程度で評価できることを確認しました(図3)。

 本手法は、豪雨時における盛土の侵食量の定量的な評価や、既設盛土における降雨に対する事前対策の検討、急勾配盛土に用いる材料の選定などに活用することができます。