20. 新幹線車両走行時の沿線騒音に関する詳細な音源別寄与率予測手法
新幹線車両走行時の沿線騒音(地上25 m評価点の騒音)の大きさやその音源別寄与率の予測手法は、走行速度の向上や新型車両の導入あるいは新線開業時における防音壁高さの決定等に活用されます。
一方で、車両の特定部位の形状変更による低減対策効果の検討等においては、音源別寄与率の詳細化等が求められていました。
そこで本研究では、二次元マイクロホンアレイを用いて計測された列車の高解像度音源分布から、点音源の音の伝搬特性を用いて、地上25 m評価点における沿線騒音を予測する手法を開発しました(図1、図2)。
ここで伝搬特性とは、音響模型実験(1/20縮尺模型)を用いて、空間上に配置した点音源の強さと評価点における音圧レベルの差で表したものであり、回折や遮音による減衰の影響も含めて実験的に算出しています。
特に、球面波を発生させることができる点音源装置を用いた新しい手法により、こうした音響模型実験が実現可能となりました。
本手法は、車両の設計段階における事前検討、走行試験の評価および特定部位の形状の変更、地上側の防音壁の遮音性能等の有効性の評価等に用いることができます。
また例えば、特定部位の形状変更が編成全体に適用された場合等、多様な条件における沿線騒音を予測することができるため、走行試験の試行回数の削減にも寄与することができます。