21. 再エネ電力活用を可能とする鉄道用蓄電装置の統括制御手法

 直流電気鉄道用の蓄電装置は、主に回生電力吸収による省エネや非常用電源のため導入されています。
この蓄電装置を地上 ・ 車上間で協調して充放電制御することにより、時間帯で大きく変動する再エネ電力を安定的に活用することを検討しました。

 活用したい再エネ電力に応じて、鉄道用蓄電装置の充放電を統括制御するアルゴリズムを構築しました(図1)。
このアルゴリズムでは、統括コントローラが各蓄電装置のコントローラに対し、蓄電装置の充電状態をなるべく均一化するように充放電指令値を配分します。
構築したアルゴリズムの効果を確認するため、充放電指令に基づいて1編成の車載蓄電装置を充放電する制御機能を所内試験線に実装しました(図2)。
再エネ電力余剰を想定した試験の結果、統括コントローラの指令値電流に基づいて、車載蓄電池に一部の再エネを充電しつつ、必要に応じて走行する別車両の回生電力の充電も可能であることを実証しました(図3)。

 本手法により、蓄電装置を用いて活用できる再エネ電力を増やすことで、脱炭素社会実現に貢献することが期待されます。