4. 大変位および異常時における空気ばね挙動の解明
空気ばねは、鉄道車両の走行安全性や乗り心地に影響する重要な部品で、通常時は上下変位数十mmの範囲で使用されています。一方で、強い揺れを伴う地震では車両が大きく動揺するため、空気ばねが通常範囲を超えて伸長したり、内部の空気が漏出したりする可能性がありますが、このような大変位条件での空気ばね特性や空気漏出のメカニズムは解明されていませんでした。
そこで、構造物用の大変位に対応可能な試験装置を用いて空気ばねの加振試験(図1) を実施しました。その結果、空気ばね上下力は、伸長過程と圧縮過程で大きく異なり、従来の線形ばねで表現できない非線形特性を有していることがわかりました(図2)。また、空気ばねからの空気漏れ挙動は、気密を保つセルフシール構造が、大きな伸長で外れて生じることを確認しました。
これらの試験結果に基づき、大変位条件での空気ばねの挙動を再現できる新しいモデルを提案しました。これを用いて加振試験の再現解析を行った結果、加振周波数や上下変位によらず、大変位空気ばねモデルが加振試験と概ね一致しました(図3)。さらに、この空気ばねモデルを既開発の車両挙動解析プログラムに導入し、従来モデルより大きく伸長するなどの実態に即した地震時車両挙動の評価が可能となりました(図4)。
新しい車両挙動モデルは、地震時の走行安全性評価や地震対策部品の検討などに活用できます。
