汎用端末の保安制御システムへの活用手法
概要
保安制御システムの低コスト化や保守作業の省力化のため、タブレットやボードコンピュータなどに代表される汎用技術の活用が期待されています。しかし、汎用技術はフェイルセーフ性を考慮した設計がなされていないため、保安制御システムに活用するには、異常検知時の安全側動作やセキュリティを確保する仕組みが必要になります。そこで、保安制御システムに汎用技術を適用する手法を開発し、適用例を提案しました。
特徴
- タブレット端末などの汎用技術を保安制御システムに活用できます
- 非フェイルセーフな汎用技術の処理をフェイルセーフCPUで検証することで、安全性を確保します(図1)
- 汎用技術の適用により、保安制御システムの低コスト化や処理高速化、機能向上が期待できます
適用例
リレーの状態監視・制御に汎用端末(汎用のボードコンピュータ)を適用した事例を示します。本用途で考えられる故障として、「リレーの状態を正しく認識できず、汎用端末がリレーの状態と関係なく応答する」という事象があります。この故障に対し、乱数を用いた状態監視、電子署名によるなりすましの防止、二段階応答による不正出力の防止を実施することで、万一の故障時にも安全側に制御することが可能となりました(図2)。
本手法によって、リレーの状態誤認や故障時の危険側動作を防止することが可能となるため、軌道リレー状態に基づく列車接近警報システムなどに汎用端末が適用可能となります。