自然風下を走行する車両の状況を風洞試験で再現する
横風により車両に働く空気力を精度よく評価するためには、より実現象に近い状況において空気力を評価することが大切です。ここでは、静止車両模型を用いた風洞試験では再現できない車両と地面との相対運動の影響を評価するために開発した、鉄道総研の大型低騒音風洞に設置する車両模型走行装置を紹介します。
開発した装置は、陸上競技などの撮影で実績のあるカメラ用の走行装置を応用したもので、約20mの区間を最高速度10m/sで走行できます。また、風洞吹出口に対する角度を変更するためのターンテーブルも備えており、風洞風速や車両模型の走行速度をさまざまに変化させることで、車両に対する風の角度を広い範囲に設定することが可能です。
これまでに、走行装置の基本性能の確認と、平地上を走行する角柱形状の車両模型を用いた基礎検討を終えました。今後は、より現実に近い状況を再現する風洞試験方法を検討していきます。
動画1 横風風洞試験用車両模型走行装置を用いた風洞試験の様子
※上記の動画は外部の動画サイトの埋め込みリンクです。