26. 集電系の模擬走行試験を可能とする HILS システム

  • 定置でパンタグラフと架線の相互作用を考慮した模擬走行試験を可能とする集電 系HILSシステムを開発しました。
  • 300km/h走行時の支持点間隔やハンガ間隔に起因する約20Hzまでの架線振動 を再現可能であることを確認しました。
  • パンタグラフ開発の時間短縮が可能です。

パンタグラフの開発において、現車試験を実施する前に各構成部材の強度や振動する架線への追随性を試験装置で確認しておく必要があります。 しかし、従来の定置試験装置では、パンタグラフが走行しながら架線を揺らすことにより発生する架線の振動を十分に考慮できなかったため、現車試験において定置試験で確認されたパンタグラフの性能が発揮されないことがあり、この場合には、パンタグラフの再調整と試験を繰り返す必要がありました。

そこで、定置試験装置でパンタグラフと架線との相互作用を考慮した模擬走行試験を実施可能な集電系 HILS(Hardware In the Loop Simulation)システム(図1)を開発しました。 本システムでは、パンタグラフの走行により生じる架線の振動をリアルタイムで計算し、加振装置を制御することにより、パンタグラフにより振動する架線の下を走行している状況を模擬できます。 300km/h 走行を模擬した本システムによる試験結果と目標値(架線・パンタグラフ系シミュレーションにより設定)を比較すると、20Hz程度までの周波数応答がよく一致していることから、300km/h 走行までの支持点間隔やハンガ間隔に起因する架線振動および波動伝播の影響を考慮したパンタグラフの模擬走行試験が実施可能であることを確認しました(図2)。

本システムにより、現車試験との乖離がより小さい定置試験を実施可能となるため、パンタグラフの開発期間の短縮が期待できます。

図1 集電系HILSシステム概要
図2 300km/h走行を模擬したHILS試験結果(舟体加振変位)
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