31. トロリ線への追従性が良好な新幹線パンタグラフ用多分割舟体

  • 低騒音かつトロリ線への高い追従性を両立する多分割舟体を提案しました。
  • 多分割舟体試作機は、たわみ板方式の舟体に対しハンガ周期の追従性が約10倍、 離線率が約1/2となることを確認しました。

パンタグラフ舟体から発生する空力騒音を低減するためには、舟体断面形状を曲面にするのが有効です。 しかしこのような舟体に、トロリ線の凹凸に追従するためにたわみ板方式のすり板支持機構(舟体断面に対してすり板全体が上下動する)を実装すると、すり板の上下位置変化に伴って揚力特性が敏感に変化し、高速走行時に舟体の不要な振動を引き起こす懸念があります。

このような問題を解決するため、多分割舟体を提案しました。本舟体は低騒音化と安定した揚力の両立のために、走行方向を1方向に限定した上で断面形状を曲面にしました。さらにまくらぎ方向に舟体を複数個に分割し、個々の舟体が断面形状を維持したまま個別に上下動してトロリ線に追従します。この多分割舟体に、可動部の質量軽減のためカーボン複合材のすり板を組み合わせた多分割舟体試作機(図1)を製作し、たわみ板方式の舟体と集電性能を比較しました(図2)。

試験では、多分割舟体試作機はたわみ板方式の舟体に対し、走行速度300~400km/hにおけるハンガ間隔周期に相当する周波数帯のトロリ線凹凸に対する追従性が約10倍となりました(図3)。さらに離線率は速度300km/h、電流400A通電時に約1/2となることを確認しました(図4)。 本試作機をもとに、実機パンタグラフを目指した改良を進めます。

図1 多分割舟体試作機と断面形状
図2 パンタグラフ総合試験装置による集電性能確認試験
図3 多分割舟体試作機の凹凸に対する追従性
図4 多分割舟体試作機とたわみ板方式舟体の加振時離線率比較(300km/h 400A通電)
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