高速パンタグラフ試験装置

集電力学研究室

新幹線などのパンタグラフの性能を評価する試験装置として、パンタグラフがトロリ線から大電流を取り入れながら高速走行(最高速度500km/h)する状態を再現可能な、世界トップクラスの試験装置です。トロリ線への追随性に優れ、離線が少ないパンタグラフの開発や、トロリ線とパンタグラフすり板の摩耗現象の解明などに活用できます。

特徴・諸元

  • 回転円盤を高速で回転させることで、パンタグラフがトロリ線に接触し、最高500km/hで走行している状態を再現できます。
  • パンタグラフとトロリ線に電流(最大600V、1000A)を流すことで、走行時にパンタグラフとトロリ線間に発生する離線アークや部材の温度上昇等を再現できます。
  • トロリ線の左右偏位、上下変位を再現できます。
  • 実トロリ線を用いた試験が可能です。
  • パンタグラフ架台を上下に加振することにより、車両の上下振動を再現できます。
  • 環境雰囲気制御装置により、気温・湿度の環境条件を制御した試験が可能です。

主要諸元


 装置装置  項目  仕様
本体装置



 
回転速度  最高500km/h
円盤上下加振
 
 周波数:最大27.8Hz、変位:-100mm~+100mm(周波数に依存)
 波 形:任意

円盤左右加振
 
 周波数:最大5Hz、変位:-300mm~+300mm(周波数に依存)
 波 形:任意
パンタグラフ架台

 
上下加振
 
 周波数:最大10Hz、変位:-35mm~+35mm(周波数に依存)
 波 形:任意

昇降量  1600mm
環境雰囲気
制御装置
 
 
温度  -20℃~+40℃(本体装置運転時)
湿度  10%~90%(湿度制御は10℃以上で可能)
送風装置  60~100km/h
通電装置
 
 
種別  ACまたはDC
電圧  100~600V
電流  100~1000A(10段階制御)