バラスト軌道の座屈・大変形解析
構造力学研究室
常時の温度変化や地震時の振動などの影響を定量的に評価できる、バラスト軌道の座屈・大変形解析手法を開発しました。
特徴・諸元
- はじめに 軌道の構造や敷設条件など様々な条件を考慮して常時の温度変化に対する軌道の変形や座屈安定性を定量的に評価することはロングレールを管理する上で重要です。また近年、地震時の軌道の変形挙動の評価についてもニーズが高まってきました。そこで、常時の温度変化や地震時の振動などの影響を定量的に評価できる、バラスト軌道の座屈・大変形解析手法を開発しました。
- 解析手法 本手法(図1)では、様々な形式の構造物や軌道構造を3次元FEMによりモデル化します。レールやまくらぎは梁要素でモデル化し、道床抵抗力や締結装置は非線形のばね要素でモデル化しています。常時の座屈挙動解析では、レール軸力の上昇を微小なステップに分けて徐々に上げながら、各ステップで最も変形した節点に着目して弧長法を用いて座屈挙動を計算します。残る節点の変位はこの着目節点に従属させて求めて、軌道全体の変形形状を逐次求めていきます。地震時の動的大変形解析では、道床横抵抗力特性に横方向への加振や構造物境界での食い違いの影響などを考慮して、軌道の変形挙動を求めることができます。
また、本手法により、バラスト軌道の座屈や大変形時の挙動を推定できることを、実物大軌道による座屈実験結果や加振実験結果などにより確認しました(図2~3)。 本手法では、軌道の座屈・大変形挙動の評価を、常時の温度変化や地震時の振動などの様々な影響などを考慮して、解析的に行うことができます(動画1~2)。
動画1:温度変化に関する解析事例はこちら(外部サイトへ移動します)
動画2:地震動に関する解析事例はこちら(外部サイトへ移動します)
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