車両振動研究室
Vehicle Noise & Vibration
車両振動研究室では車両に生じる振動や騒音を低減し、より快適な車内環境を実現することを目指して研究を行っています。当研究室では主に、数Hz以下の車両運動、数Hz~数十Hzの弾性振動、数十Hz~数十kHzの車内騒音を扱う以下のテーマに取り組んでいます。
研究開発
車体弾性振動特性の把握 UPDATE
車体定置加振試験や走行試験の振動測定データから車体の固有振動モード(固有振動数、振動形状など)を同定する手法や、振動低減策に関する研究開発に取り組んでいます。
車体定置加振試験や走行試験の振動測定データから車体の固有振動モード(固有振動数、振動形状など)を同定する手法や、振動低減策に関する研究開発に取り組んでいます。
車両振動特性を表現できるモデルの作成 UPDATE
複数の固有振動モードが乗り心地に影響を与える車体振動に対して、なるべく簡便かつ3次元構造物で振動特性を表現できるモデルとして、三次元弾性体を組み合わせた6面体として扱う拡張箱形モデルによるシミュレーション手法の開発に取り組んでいます。
複数の固有振動モードが乗り心地に影響を与える車体振動に対して、なるべく簡便かつ3次元構造物で振動特性を表現できるモデルとして、三次元弾性体を組み合わせた6面体として扱う拡張箱形モデルによるシミュレーション手法の開発に取り組んでいます。
車体・台車結合要素特性の適切化 UPDATE
台車と車体間の前後方向の結合要素である牽引リンクやヨーダンパに着目し、その緩衝ゴムの剛性や取り付け高さなどの適切化による車体弾性振動低減手法を開発しました。緩衝ゴムの剛性を変更させた条件で走行試験を行った結果、上下方向の振動乗り心地が向上することを確認しました。
台車と車体間の前後方向の結合要素である牽引リンクやヨーダンパに着目し、その緩衝ゴムの剛性や取り付け高さなどの適切化による車体弾性振動低減手法を開発しました。緩衝ゴムの剛性を変更させた条件で走行試験を行った結果、上下方向の振動乗り心地が向上することを確認しました。
台車からの振動伝搬を抑制する緩衝ゴム UPDATE
わずかな質量アンバランスのある輪軸が回転することで車体曲げ振動が加振され、乗り心地が低下する場合があります。これを防ぐため、微小隙間を有する一本リンク用およびヨーダンパ用の緩衝ゴムを開発しました。
わずかな質量アンバランスのある輪軸が回転することで車体曲げ振動が加振され、乗り心地が低下する場合があります。これを防ぐため、微小隙間を有する一本リンク用およびヨーダンパ用の緩衝ゴムを開発しました。
非構造部材を活用した車体剛性向上手法 UPDATE
吊手棒などの非構造部材を活用した構体構造の変更によらない車体剛性向上手法を開発しました。車両客室内の内部骨組みや、車内設備である吊手棒を活用することによって車体剛性が向上することを確認しました。吊手棒を活用した手法については、通勤形車両で実用化されています。
吊手棒などの非構造部材を活用した構体構造の変更によらない車体剛性向上手法を開発しました。車両客室内の内部骨組みや、車内設備である吊手棒を活用することによって車体剛性が向上することを確認しました。吊手棒を活用した手法については、通勤形車両で実用化されています。
軽量アクティブマスダンパ(AMD)による多モード制振 UPDATE
複数の車体弾性振動モードを同時に制振する(多モード制振)手法として、小型で軽量なアクティブマスダンパ(AMD)を開発しました。これまでに、実車を対象とした試験を実施して複数の弾性振動モードによる車体振動を同時に低減できることを確認しています。
複数の車体弾性振動モードを同時に制振する(多モード制振)手法として、小型で軽量なアクティブマスダンパ(AMD)を開発しました。これまでに、実車を対象とした試験を実施して複数の弾性振動モードによる車体振動を同時に低減できることを確認しています。
床下機器の高減衰弾性支持による車体弾性振動低減 UPDATE
床下機器を利用した車体弾性振動低減手法の開発に取り組んでいます。
床下機器を利用した車体弾性振動低減手法の開発に取り組んでいます。
新しい車内騒音低減法の研究 UPDATE
鉄道車両の車内騒音の特性を把握し、新しい対策法の開発に取り組んでいます。
鉄道車両の車内騒音の特性を把握し、新しい対策法の開発に取り組んでいます。
新たな床構造の開発 UPDATE
台車で発生した振動は車内の床板まで伝搬し、固体伝搬音として車内騒音の原因の一つになっています。そこで床板の振動を低減させるために「分割床板の弾性支持構造」や側構体から床板を吊り下げる「吊り床構造」を提案しました。
台車で発生した振動は車内の床板まで伝搬し、固体伝搬音として車内騒音の原因の一つになっています。そこで床板の振動を低減させるために「分割床板の弾性支持構造」や側構体から床板を吊り下げる「吊り床構造」を提案しました。
騒音低減システムの開発 UPDATE
圧電材料を貼付した平板を平面状に配列したパネルを内装板に空気層を設けて取り付けて透過音を低減する手法を開発しました。
圧電材料を貼付した平板を平面状に配列したパネルを内装板に空気層を設けて取り付けて透過音を低減する手法を開発しました。
鉄道車両の車内騒音に対する伝達経路解析手法 UPDATE
鉄道車両の車内騒音低減対策を適切な位置に効率よく適用するため、台車等の音源から車内への騒音・振動の伝搬経路ごとの寄与度を把握することができる伝達経路解析(TPA; Transfer Path Analysis)手法を考案しました。
鉄道車両の車内騒音低減対策を適切な位置に効率よく適用するため、台車等の音源から車内への騒音・振動の伝搬経路ごとの寄与度を把握することができる伝達経路解析(TPA; Transfer Path Analysis)手法を考案しました。
車内騒音解析による騒音低減効果の予測 UPDATE
開発した対策法を効果的に適用するため、音響解析により、車内騒音分布等の把握と低減対策の効果の予測を行っています。
開発した対策法を効果的に適用するため、音響解析により、車内騒音分布等の把握と低減対策の効果の予測を行っています。
鉄道車両用セミアクティブサスペンション UPDATE
セミアクティブサスペンションは高速走行時でも良好な乗り心地を提供するために開発したもので、車体の揺れを加速度センサで検知し、台車と車体の間に取り付けた「可変減衰ダンパ」という部品を高速で制御して、振動を抑制する抵抗力を発生させて乗り心地を改善します。
セミアクティブサスペンションは高速走行時でも良好な乗り心地を提供するために開発したもので、車体の揺れを加速度センサで検知し、台車と車体の間に取り付けた「可変減衰ダンパ」という部品を高速で制御して、振動を抑制する抵抗力を発生させて乗り心地を改善します。
可変減衰軸ダンパを用いた上下制振制御システム
軸箱と台車枠の間 (1次ばね系) の減衰を制御することにより車体の曲げ振動を低減するシステムを開発しました。
軸箱と台車枠の間 (1次ばね系) の減衰を制御することにより車体の曲げ振動を低減するシステムを開発しました。
可変減衰上下動ダンパを用いた制振制御システム UPDATE
台車枠と車体の間(2次ばね系)の上下方向の減衰を制御することにより乗り心地を向上するシステムを開発しました。
台車枠と車体の間(2次ばね系)の上下方向の減衰を制御することにより乗り心地を向上するシステムを開発しました。
実験設備
固体伝搬音模擬用加振装置
台車からの固体伝搬音を模擬するため、ヨーダンパ受およびけん引リンク受から車体を加振する加振装置を製作しました。
台車からの固体伝搬音を模擬するため、ヨーダンパ受およびけん引リンク受から車体を加振する加振装置を製作しました。
高速車両用多目的試験車体 UPDATE
高速車両用の車体を製作し、振動・騒音低減対策の効果の検証などに活用しています。
高速車両用の車体を製作し、振動・騒音低減対策の効果の検証などに活用しています。