台車からの振動伝搬を抑制する緩衝ゴム

わずかな質量アンバランスのある輪軸が回転することで車体曲げ振動が加振され、乗り心地が低下する場合があります。これを防ぐため、ゴムと心棒(台車・車体への取付用金具)の間に微小隙間をもつ緩衝ゴムを考案し、これまでに一本リンク用とヨーダンパ用の緩衝ゴムを開発しました(図1)。

鉄道総研の試験車両(通勤車両、新幹線車両)に開発した緩衝ゴムを適用した条件で車両試験台による回転試験を行った結果、車体振動が低減することを確認しました(図2および参考文献参照)。 また、営業線(在来線)において走行試験を実施した結果、車体振動(上下曲げ振動)が低減し、乗り心地が向上することを確認しました(参考文献参照)。

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参考文献

  1. 富岡隆弘、瀧上唯夫:台車からの振動伝搬を抑制する牽引リンク緩衝ゴムの開発、鉄道総研報告、Vol.25、No.1、pp.5-10、2011.01
  2. 相田健一郎、富岡隆弘、秋山裕喜、瀧上唯夫:車体上下振動抑制のためのヨーダンパ用変位依存性緩衝ゴムの開発、鉄道総研報告、Vol.30、 No.11、pp.11-16、2016.11
  3. 相田健一郎、瀧上唯夫、秋山裕喜、富岡隆弘:輪軸の質量アンバランスによる車体上下振動を低減する、RRR、Vol.74、 No.10、pp.8-11、2017.10
  4. 相田健一郎、瀧上唯夫、秋山裕喜、槇田耕伸:車体弾性振動低減に向けた新幹線用台車前後加振力伝達抑制デバイスの開発、鉄道総研報告、Vol.36、No.10、pp.5-11、2022.10
  5. 相田健一郎、秋山裕喜、瀧上唯夫、富岡隆弘、宮本岳史、中嶋大智:鉄道車両の車輪回転に伴う車体上下振動におけるヨーダンパの影響と対策、日本機械学会論文集、Vol.89、No.924、2023(※)

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