まくらぎ直結軌道用伸縮継目の弾性支持構造の開発

1.はじめに

 まくらぎ直結軌道用伸縮継目は、新幹線のスラブ軌道区間におけるロングレール端で使用されており、図1のように、まくらぎをコンクリート道床で直接支持する構造となっています。基本的な構造はバラスト軌道用のものと同様で、レールの温度変化に伴う伸縮を吸収する機能を有しています。
 まくらぎ直結軌道は、バラスト軌道より剛に支持されている一方で、前後の一般区間では低弾性のレール締結装置が採用されていることから、軌道の支持ばねに大きな差が生じています。このため、まくらぎ直結軌道用伸縮継目では前後の一般区間との軌道支持ばねの差により衝撃が生じたり、剛に支持されていることに起因して、乗り移り等により生じた衝撃が低減されにくいものと考えられます。そこで、まくらぎ直結軌道用伸縮継目に適用できる弾性支持構造(図2)を開発しました。

2.開発品の特徴

・弾性材を床板下に配置し、板ばねで締結した二重弾性締結方式です。
・軌道支持ばねの急変および乗り移りの箇所の衝撃を緩和できます。
・現行品からの置換が可能です。
・前後の一般区間(スラブ軌道、30MN/mの軌道パッドを使用した直結8形レール締結装置)と同等の軌道支持ばねを実現しました。
・上下方向(-5~+10mm)および左右方向(±6.4mm)の調整機能を有します。
・床板から上部は現行品のままです。

参考文献