保守省力化を目的とした分岐器ポイント

1.はじめに

 電気転てつ機を用いた従来の分岐器のポイント(図1)は、まくらぎとまくらぎの間に設置された転てつ棒や控え棒の箇所で、バラストの充填が不十分となるうえ、バラストのつき固めができません。また、トングレールと基本レールの隙間の検査や調整作業、トングレールの転換不能に伴う修復作業には多大な労力を要しています。
 そこで、トングレールを転換させる「転換装置」と、転換後に隙間を調整する「隙間調整装置」を開発することで、保守省力化を目的とした分岐器のポイントを提案しました。本提案は、将来的な保守省力化の実現を見据えたコンセプトモデルになります。

2.保守省力化を目的とした分岐器ポイント

 提案する分岐器のポイントは、従来の電気転てつ機を転換装置に置き換え、控え棒を3台の隙間調整装置に置き換えた構造になります(図2)。

 転換装置は、トングレールを転換させるとともに、転換時の圧力を測定して、摩擦力の増加によって発生する転換不能を事前に検知します(図3)。また、隙間調整装置は、転換後に伸縮して、トングレールと基本レール・止め金具の隙間が無くなるように自動調整します(図4)。さらに、転換装置と隙間調整装置は、まくらぎ上に設置することで、従来、つき固めが不可であった箇所のつき固めを可能としています。

参考文献

  1. 玉川新悟、上田将司、安田新太郎、細見章人:トングレールの転換・隙間調整装置の開発と保守省力化を実現する分岐器ポイントの提案、日本機械学会論文集、2025(投稿中)