まくらぎ直結軌道用固定クロッシングの弾性支持構造の開発

1.はじめに

 図1に示すように、分岐器の部材の一つである固定クロッシング(以下、「クロッシング」)では、ウィングレールからノーズレールへの車輪の乗り移りによって、衝撃的な荷重が発生します。このため、乗り移り箇所には落ち込みや挫壊が生じており、これらの損傷がクロッシングの交換理由の多くの割合を占めています。
 その中でも、新幹線のまくらぎ直結分岐器(図2)のクロッシングでは、バラスト分岐器と比較してノーズレールの落ち込みが大きく、その交換周期が短いものが散見されています。そこで、落ち込みの低減を目的として、新幹線のまくらぎ直結分岐器に適用できるクロッシングの弾性支持構造(図3)を開発しました。

2.開発品の特徴

・弾性材をクロッシングの下に配置し、板ばねで座金を締結した2重弾性締結構造です。
・まくらぎ交換をすることなくタイプレートの交換のみで置き換えることが可能です。
・弾性材は、クロッシング走行時の輪重変動がバラスト分岐器の場合と同等になるように設計しました。