17. 地域鉄道向け無線式列車制御システム

  • 駅構内での無線通信により軌道回路や地上信号機を不要とした地域鉄道向けの列車 制御システムを開発しました。
  • データベース搭載の車上装置により、次駅までの列車防護を実施します。
  • 汎用無線LANを使用するため、車上-地上間の通信用にIP電話を使用できます。

地域鉄道向けの列車制御システムとしては、電子閉そく装置や、鉄道総研で開発した拠点無線式列車制御システムがありますが、いずれも駅構内では軌道回路や地上信号機を必要とします。 今回開発したシステムでは、車両が認識する在線位置を無線により中央管理装置に伝送し、それに従い列車走行可能範囲を決定して車両に伝送することにより、軌道回路や地上信号機を不要にできます。

車両の位置認識については、鉄道総研が開発した、車上データベース搭載型の ATS-Dx の機能を用いています。
地上装置は、絶対位置検知用 ATS 地上子、無線装置、転てつ機や踏切装置との入出力を行う駅制御端末から構成されます(図1)。駅構内の無線通信には免許が不要な5.6GHzの汎用無線LANを用いますが、これにより列車無線を設備していない線区であっても駅構内のIP電話による地上と車上との間の無線通信が可能となるメリットもあります。
なお、制御情報の伝送量は無線LANの性能に対し十分に小さいので、回線設計を十分に行うことで安定性を確保できます。
また、発駅の出発信号機から着駅の到着ホームまでを1閉そくとすることにより、駅間で地上装置や車上装置にトラブルがあっても、到着ホームまでの移動に対する安全が保たれるのが特徴です。

システムの機能仕様書をまとめ、それに基づいて試作を行い、鉄道事業者の試運転線にて駅間の基本的な閉そく制御、通過や折り返しの制御、音声通信、異常時対応の確認を行いました。無線が不安定でも安全が保たれることを確認しています。
今後営業線での試験を実施する計画です。

図1 従来システム(拠点無線式)の概要図
図2 地域鉄道向けの新しい無線式 列車制御システムの概要図
図3 駅制御端末および中央管理装置
PAGE TOP