3. 音声メッセージと遮断タイミングによる踏切警報中の歩行者の進入防止

 踏切事故減少のため踏切歩行者2,435名への意識調査を行ったところ、警報鳴動中に進入したトリコ経験者の61%が本来「進入禁止」を伝える警報の意味を「注意」と認識していました。このため、警報鳴動中の進入防止対策として、本来の警報の意味の理解促進のために音声メッセージを加えることと、遮断かんの降下完了までの時間は変えずに、遮断かんの降下開始のタイミングを早めることを提案しました。

踏切の歩行横断を模擬したシミュレータ実験の結果から、聴覚による対策としてメッセージ内容、発話速度などの条件の中で効果が期待される、危険である状況を伝えかつ進入禁止を指示する音声メッセージを事前に選定した上で、その効果を検証したところ(図1)、警報鳴動中に進入する歩行者が現行に比べ25%減ることを確認しました(図2)。
 また、視覚的に進入禁止を伝える遮断かんについて、遮断開始のタイミングを早めることにより、警報鳴動中に進入する歩行者が現行に比べ64%減ることを確認しました(図3)。

 これらの視覚・聴覚情報の提示の工夫により警報鳴動中に進入する歩行者が減り、踏切事故の件数が低減することが期待できます。