鉄道車両の走行安全性評価

レールの上を走行する鉄道車両では、車両自体の重さ、曲線を通過するときに働く遠心力、車両を前に進めようとする力など、車輪とレールの間に様々な力が働きます。これらの力をレールに対して作用する方向に分解して、鉛直方向に作用する力を輪重、水平方向に作用する力を横圧、前後方向に作用する力を前後接線力と呼んでいます(図1)。

この輪重、横圧、前後接線力は、車両が走行するときには速度や軌道の構造などの影響により常に変化しています。輪重や横圧が大きくなると軌道を破壊したり、輪重と横圧の比(脱線係数)がある一定の値を超えると脱線したり、輪重がある一定の値より減少すると転覆したりする危険性があります。そのため、車輪にひずみゲージを貼り付けた輪重・横圧測定用輪軸(PQ輪軸)(図2)を用いて輪重や横圧などを測定し、得られたデータ(図3)から走行特性値を確認して車両の走行安全性を評価する必要があります。