本設利用工事桁用レール締結装置

1.開発の目的

工事桁を撤去せず本設構造物の一部として利用する本設利用工事桁については、多くの方式が提案、実用化されています。このうち、主桁に合成まくらぎを設置した横桁を取り付け工事桁とし本設化する「マクラギ抱き込み式」の本設利用工事桁に適用可能なレール締結装置・構造の標準形式を開発しました。

2.特徴

開発したレール締結装置・構造の特徴は次の通りです。

  • これまで本線上で採用例の少ない、タイプレートと埋込栓を設けた合成まくらぎを両ねじボルトを用いて定着する方式を採用しました。
  • 構造変化時に必要な、大きなレール位置調整量を実現しました。
  •  (通り調整量) 標準締結状態から軌間内側・外側それぞれ最大20mm
     (高低調整量) 標準締結状態から鉛直上側に最大20mm
  • 適用区分(一般部・継目部)、締結方式(板ばね・線ばね)、レール種別(50kgN・60kgレール)によって使用するレール締結装置の種別に区分を設けています。

3.用途

本設利用工事桁では工事期間中に軌道構造が変化しますが、そのいずれの軌道構造にも対応するレール締結装置として適用されます。

また、タイプレートを合成まくらぎに設置した埋込栓に定着する方法については、他のレール締結装置への適用も可能です。

参考文献

  1. 弟子丸将、西原敬人、飯田政巳、玉川新悟:本設利用工事桁用レール締結装置の開発、鉄道総研報告、第28巻、第6号、pp.5-9、2014.06
  2. 中本康晴:フィールドレポート 新技術の適用事例 No.83 本設利用工事桁用レール締結装置、RRR、74巻 6号、2017年6月