レールのき裂進展予測

1.はじめに

本研究では、はじめにメッシュフリー法による三次元弾性解析プログラムを作成し、表面き裂の応力拡大係数(K値)解析を行いました。それらの結果を既存の解析結果と比較し、本手法の有効性を確認しました。そしてさまざまな条件下における、横裂の進展解析を行い、横裂の進展は平均応力やき裂進展角、走行車種の影響を大きく受けることを示しました(図1)。

2.横裂の進展解析

鉄道用レールには、繰り返しの車輪通過によりもたらされる応力の影響を受け、さまざまなき裂が発生します。特に横裂はより底部へと進展すると、レール破断を引き起こす危険性があります。横裂を管理するために、鉄道事業者においては定期的に超音波探傷が行われています。横裂の進展を精度よく予測することができれば、探傷を必要最小限の頻度で行うことができ、安全性を脅かすことなく経済的に管理することができます。

参考文献

  1. 名村明、片岡宏夫:レールの亀裂進展を予測する、RRR、Vol.72、No.1、pp.20-23、2015.01
  2. 辻江正裕、赤間誠、松田博之、名村明:レール横裂進展予測モデルの開発、鉄道総研報告、第24巻、第12号、pp.41-46、2010.12