16. 信号機配置「閉そく割り」の決定支援システム

 新駅設置などを含む線形改良の際、「閉そく割り」と呼ばれる信号機の配置を検討する業務が必要になります。
 この業務では、
 ①信号機配置案を基に信号現示の遷移を表す信号現示系統を作成し、
 ②それを基に列車の運転間隔を示す運転時隔を求め、
 ③運転時隔が目標値を満たすことを確認する、
という作業を運転時隔の目標値を満たすまで繰り返します(図1)。
 さらに、信号現示系統の作成でも信号機配置案を調整する必要があり、閉そく割りを決めるための検討には多くの時間を要します。
 また、信号保安の観点から減速距離が最も長くなる条件で運転曲線を作成する知識が必要です。

 そこで、信号現示系統の条件を考慮した運転曲線作成機能と各信号機間における減速距離計算手法を考案し、鉄道総研が有する運転曲線を高速に算出するアルゴリズムを用いて実装することにより、信号現示系統と運転時隔を瞬時に算出可能な支援システムを開発しました(図2)。
 検証試験で、路線長が約15kmで信号機20基からなる路線の閉そく割りを、本システムを用いて数秒で評価できることを確認しました。

 本システムによって、信号現示系統と運転時隔の評価に必要となる計算を自動化できるため、閉そく割りの検討業務に要する時間の短縮が見込めます。