14. 計画業務省力化のための乗務員運用計画の自動作成手法
ダイヤ改正時には、列車ダイヤや車両の運用計画とともに、乗務員(運転士と車掌)の勤務計画
である乗務員運用計画を作成する必要があります。乗務員運用計画は、規程類に基づく多数の制約
条件を満たしつつ、要員数が少なくなる計画が求められています。これに対し、現在、熟練の計画
担当者が、線区規模によっては1 線区あたり数日〜数週間程度を要して作成している乗務員運用計
画を、自動的に作成する手法を開発しました。
乗務員運用計画は、乗務員の1 勤務中に担当する列車を割り当てた「行路」の作成と、行路の
実施順序を定め適切な箇所に休日を設けた「交番」の作成の2 段階で構成されます。行路作成では、
1 勤務における拘束時間や継続乗務時間、睡眠時間や食事時間など、交番作成では、在宅休養時間
や休日数など、規程類に基づく多くの制約条件を満たす必要があります。従来技術では、数理最適
化手法を適用していましたが、列車本数が増加すると組合せ数が膨大となり、実用的な解が実用的
な計算時間で得られないという課題がありました。そこで、新たにグラフ理論に基づくネットワー
ク最適化法を導入しました。これにより組合せ数を削減し、短時間で要員数を最小にする運用計画
作成を可能とし、さらに運転士と車掌の制約条件の違いにも対応しました(図1)。
開発手法により、1 日の列車数が400 本程度の運転士線区、車掌線区のそれぞれについて、市販
の汎用PC により数十分程度で、計画担当者が作成した運用とほぼ同等の行路および交番が作成
でき(図2)、乗務員運用計画作成の省力化、脱技能化が図れます。
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